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キラがムラサメに乗っていたら(ry?2

1 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/03(水) 23:57:30 ID:???
サイキョーキャラがサイキョーMSでフゥハハー!!

やめてよね。そんな話面白くなる訳ないだろ

量産機で必死に地味に頑張るキラなら種死はここまで狂わなかった、かも?
前スレ
ttp://anime.2ch.net/test/read.cgi/shar/1159472256

2 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/03(水) 23:59:31 ID:???
1.キラは量産機に乗る
2.キラが乗ろうと量産機である以上、キルレシオはさして変わらない、
 新世代旧世代が入り乱れる種死ではMSの性能が戦力の決定的な差
3.別に本編と絡まなくても良い、むしろ本編とは絡まない方が良い
4. キ ラ 絶 対 最 強 は 禁 止 
 知恵と勇気を振り絞り、勝てないほど強い相手、機体差があるのならば勝てる戦法を取る
 敵を欺き・騙し・罠にはめ・相手のペースを乱し自分のペースに相手を巻き込む
 目上の者に勝つのに、本来は手段なんて選んでられません。

3 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/04(木) 00:00:37 ID:???
>>1GJ!

後、前スレのこれテンプレか?

1.キラは量産機に乗る
2.キラが乗ろうと量産機である以上、キルレシオはさして変わらない、
 新世代旧世代が入り乱れる種死ではMSの性能が戦力の決定的な差
3.別に本編と絡まなくても良い、むしろ本編とは絡まない方が良い
4. キ ラ 絶 対 最 強 は 禁 止 
 知恵と勇気を振り絞り、勝てないほど強い相手、機体差があるのならば勝てる戦法を取る
 敵を欺き・騙し・罠にはめ・相手のペースを乱し自分のペースに相手を巻き込む
 目上の者に勝つのに、本来は手段なんて選んでられません。

4 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/04(木) 00:01:34 ID:???
乙。だが一つ言わせてくれ、目上ではなく格上じゃないだろうか。

5 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/04(木) 00:09:30 ID:???
一応キラがムラサメに乗ってたSSは別スレだが存在したんだよな、途中で投下されなくなっちゃったけど

種割れキラサメvs種割れシンパルスで撃墜されて戦闘恐怖症になって引きこもりになっちゃったが

6 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/04(木) 00:33:36 ID:???
まとめサイトも欲しいな(主にSS保管用の)

7 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/04(木) 00:37:46 ID:???
>>6
よし、任せた

8 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/04(木) 00:38:42 ID:???
>>6
残念だがもうSS投下はないと思うぞ
前スレで相当叩かれてたからな…

9 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/04(木) 00:51:50 ID:???
単発的なのはあるだろうけど長編は今の所望み薄だと俺も思うなあ。
長編になりそうな流れのネタは空気読んで他スレにいっちゃったみたいだし。

ま、そのうちSSが降ってくるかもしれないしその話は後で考えようぜ。

10 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/04(木) 01:06:12 ID:???
長編向きのSS↓
良作だったがスレ趣向と少しズレがあったため、
職人が別のスレに移住

単発SS↓
戦闘シーンは面白かったが、台詞や設定に難があり、
本編同様キラに過度の補正がかかっていたため、一部住人の反発を招く

11 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/04(木) 01:10:37 ID:???
強すぎる力は、また争いを呼ぶ↓
ttp://www.youtube.com/watch?v=zHymszzWYl8&mode=related&search=

ので、キラはあんま強すぎる力持っちゃ駄目

12 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/04(木) 03:05:32 ID:???
連合のムウの代わりはいくらでも効くからムウはオーブでいいんじゃない?

13 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/04(木) 09:31:23 ID:???
まずフルバーストは絶対禁止だな。

14 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/04(木) 10:08:23 ID:???
>>13
なんで?
バルカンとグレネードとビームライフルで
「ムラサメ・フルバースト」やって撃墜されればいいじゃん

そこから反省して真面目に戦法を考えるようになる、と

15 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/04(木) 10:10:16 ID:???
>>2
3.別に本編と絡まなくても良い、むしろ本編とは絡まない方が良い

って事はオリジナルのストーリー、オリジナルのキャラで話進めて良いって事?
どのSSスレでも大体忌避されてる事だから、そう考えると斬新だな。

16 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/04(木) 10:11:12 ID:???
自由は砲撃機だからフルバが出来るんだろ
>>14みたいにムラサメでフルバとか考えるのはアホ

17 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/04(木) 10:14:37 ID:???
フルバーストっつーかマクロスあたりがよくやる高機動でミサイルばら撒き→位置取りしながらライフル連射って言う感じで
動きのある連射ならいいんだよ。フルバは敵も味方も棒立ちだから困る。

18 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/04(木) 10:16:41 ID:???
>>16
「ストフリは砲撃機」とか脳内設定作ってるアホにアホとか言われたくないな

19 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/04(木) 10:16:51 ID:???
じゃあまんまバルキリーにすりゃいいな
元々バルキリー>>>>>MSとかよく言われてるし

20 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/04(木) 10:17:18 ID:???
問題はムラサメがそこまで運動性が高くない事だ

変形状態で後ろから来たFIにあっさりぶち抜かれる程度の速度しかない

21 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/04(木) 10:18:50 ID:???
>>18
なんのための自由&正義と思ってるんだ

22 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/04(木) 10:22:39 ID:???
>>19
アレだ、君はよく「空気が読めないね」と言われるだろう?
これはガンダムなわけで>>17はムラサメをどう活かすかって話をしているんじゃないか。
あくまで例えだろうに。

23 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/04(木) 10:42:44 ID:???
まあまあ

24 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/04(木) 10:43:54 ID:???
作戦を練った戦闘なら満足だな。
そのために性能イマイチな量産機に乗せるんだし。

25 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/04(木) 10:45:57 ID:???
すまん、空気嫁てなかった

26 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/04(木) 11:08:49 ID:???
連ザではどうなの?
自由と村雨の強さはどのくらいの差があるの?

27 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/04(木) 11:14:01 ID:???
カタログスペック
自由>>ムラサメ

補正(中の人)込み
自由>>>>絶対に超えられない壁>>>>ムラサメ

28 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/04(木) 11:24:58 ID:???
>>26
言うまでも無く自由>>ムラサメだが技量次第では十分勝てる差。
というかあのゲームはM1やダガーLでストフリ落すのも可能だけどね。

アニメの差はプラスモードでよく表現されてるんじゃないかな。

29 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/04(木) 11:37:23 ID:???
>>26
そもそもトラサメがムラサメの1、5倍くらい強いから
トラサメと比べると大した事無い

30 :45  ◆WZm3jzCkZQ :2007/01/04(木) 11:46:58 ID:???
 ムラサメに乗ったキラで、再び何とかしようと思います。

 武装は以下の通り
CIWS×6
機首の高エネルギービーム砲
"イカズチ"ビームライフル (バッテリーパック付)
"ハヤテ"空対空ミサイル×4
ビームサーベル×2
シールド
 OS改造済み
 バッテリー駆動

 相手はウィンダム三十機とネオ機

 戦場は太平洋上空、時間は昼、互いに損傷なしでスタート

 それではSS投下開始。


31 :45  ◆WZm3jzCkZQ :2007/01/04(木) 11:48:27 ID:???
1/9

 さて、どう攻めたものか。"ウィンダム"の狭い操縦席に体を収めたネオは、
仮面が隠していない唇を笑みの形にゆがめた。

 レイダーは既に戦艦AAの艦影を捕らえている。

「それにしたって、戦艦一隻にウィンダムを三十機も持って来なけりゃならないとは、
情けなくって仕方がなくなるなあ」

 そしてそれでも撃沈させる自信がない自分にもっと情けなくなった。

 ネオの専用"ウィンダム"を先頭とする計三十一機のウィンダムは六機で
一小隊を形成し、編隊を組んでAAに迫りつつあった。

 とにかく有りっ丈の戦力を寄越せとは言ったが、中には編隊飛行も
ままらないようなひよっこも居る。一見堂々たるモビルスーツの編隊であるが、
ネオには墓場に向かう棺桶の列にも見えた。

『ネオ隊長、奴は出てくるでしょうか?』

 ファントムペインからつれてきた、アルファ小隊の小隊長が不安げな声音で
通信を送ってきた。

「心配しなくとも、ちゃんと来るさ。そして今度こそ叩き潰す」

 連邦から借りたメンバーは知らないが、特殊部隊ファントムペインの者は
知っている、AAには部隊にとっての疫病神が乗っている事を。

『ここまでの戦闘で我々はあの母艦に相当の損傷を与えました、
それでもあのムラサメは来ると?』

 ここまで幾度と無く白い大天使と共に姿を現しファントムペインの作戦を悉く
邪魔してきた神出鬼没の黒いムラサメ、死神の名を呼んでしまったかの様に、
小隊長の声が低くなった。

「母艦を叩き続けて来たからこそ、ムラサメの坊主は出てくるだろうね。
今までどの場面でも、奴が殿だった」


32 :45  ◆WZm3jzCkZQ :2007/01/04(木) 11:52:10 ID:???
2/9

 ネオは努めて明るく通信を返した。これまで何度も行われた追撃戦の結果、
ネオ達はムラサメの僚機をすべて大破若しくは使用不能にする事に成功していた。

「ま、君たちアルファ小隊は俺が奴を足止めしている間に母艦を落としてくれれば
良いさ。……くれぐれも、俺たちが全滅する前に頼むよ?」
『ハッ!! 全力を尽くします』

 場を和ますために叩いた軽口はお気に召さなかった様だ。硬い口調のまま
口を閉ざした小隊長は放って置いて、ネオは部隊全体に向けて通信回線を開いた。

「さーて、もうすぐAAのミサイル射程内に入るわけだが、事前に説明した
作戦通りアルファ小隊がAA攻撃に向かうのを、ブラボー以下四つの小隊で
援護する事になる」

 アルファ小隊が対艦兵装を確認する。

 突入のタイミングはAA側からの空対空ミサイル第一陣と同時であった。
ブラボー小隊とチャーリー小隊がAMMとCIWSの弾幕を張り、同時に
散布するチャフに紛れてアルファ小隊が加速する手はずとなっていた。

「うわさのムラサメ坊主が出てくるだろうが、私を含める四つの小隊で
足止めする事に専念する。念を押すが、撃墜など狙わないように」

 まともに考えれば攻撃と足留めの数が逆であったが、異論を唱える者は居ない。

「ムラサメを足止めする手順は、ブリーフィングで説明した通りだ。
それでは……作戦開始!!」

 モニターに複数の光点が点った。AA側からのミサイル群。
全二十四門の発射管から繰り出される艦対空ミサイルが空を裂いて迫る。

 ブラボー小隊とチャーリー小隊がパックからAMMを順次発射し、
打ち洩らした対空ミサイルを各四門の"トーデスシュレッケン"近接防御火器が
迎撃する。


33 :45  ◆WZm3jzCkZQ :2007/01/04(木) 11:56:20 ID:???
3/9

『アルファ小隊、行きます!!』

 途切れるミサイルと撒き散らされるチャフ、ジャミング。
空間的かつ時間的な隙間を縫って、アルファ小隊が加速を開始した。
自分自身を鼓舞しながら小隊長が先頭となってスラスターを全開にする。

 その瞬間、上空から一条のビームがアルファ小隊の一機を貫いた。
爆装状態にあったウィンダムは対艦ミサイルの暴発によって爆散する。

 ネオのモニターに、ビームライフルを構える漆黒のムラサメの姿があった。
MA形態で母艦の対艦ミサイルと共に飛来し、攻撃隊に先制攻撃を加えたのだ。

「来たぞ!! 攻撃隊を喰われるな、各員対モビルスーツ戦闘用意」

 ネオの号令一下、ウィンダム全機が増槽を排除しビームライフルを構える。
ベテランを集めたブラボー、チャーリー小隊が先陣を切ってビームを放った。

 アルファ小隊に追撃を加えようとしたムラサメが進路を邪魔されて、攻撃隊との
距離を離される。

「どうしたムラサメの坊主、殺しの味を覚えたのかな?」

 ネオは爆散したウィンダムからパイロットが脱出しては居ない事を確認していた。

「それとも、武装だけを壊すほどには余裕が無いという事なんだろうね」

 ムラサメは全身の関節を動かしてMA形態に変形した。空力特性と総合した推力を
増加させて急上昇する、アルファ、ブラボー小隊を迂回して急降下、デルタ小隊に
襲い掛かった。まずい、あそこは新人が多い。

「だが、今日はなんとしても仕留めさせて貰う!!」

 ネオは自機のスラスターを全開にして加速、小隊とムラサメとの間に割り込むと
ビームライフルを放った。ウィンダムとムラサメのビームが空中で垂直方向に交差し、
海面と虚空に吸い込まれる。

34 :45  ◆WZm3jzCkZQ :2007/01/04(木) 11:58:35 ID:???
4/9

 連合の制式量産型モビルスーツ"ウィンダム"は、集団攻撃を得意とする機体で、
大型のバーニアに細めのボディを供え運動性には定評がある。代わりに薄くされた
上にPSもTPSも採用されなかった装甲は稼働時間と引き換えにされて紙同然で、
守勢に回ると不安要素が出てくる機体であった。

「だからって、二十機が一機に攻め込まれるってのは、何とかならない物かね!!」

 ネオは体を襲う加速度に顔をしかめながらスラスターを吹かした。モニターの中で
黒塗りの戦闘機がどんどん大きくなる。

 ブラボー小隊を狙う敵機の進路に割り込むと、ムラサメがモビルスーツ形態に
変形する一瞬を狙ってビームライフルを放った。ムラサメは変形しながら
各部のスラスターを吹かして光条を回避する。

「ええい、いつもいつも変な動きをする」

 ムラサメ相手に接近戦を挑む愚を悟りきっているネオは一撃離脱の形を崩さないが、
遠ざかりつつあるときにCIWSの弾幕を浴びて数発が脚部に当たった。
戦闘に支障はないが、ダメージランプの数がまた増える。

 ブラボー小隊からのビームビーム斉射がムラサメに向かって襲い掛かったが、
ムラサメは曲芸染みた機動で回避して逆にブラボー小隊の編隊の中に踊りこんだ。

「――不味いぞ、離れろブラボー!! デルタ小隊は掩護を――」

 指示を飛ばすネオの視界で、同士打ちを恐れて攻撃に躊躇うウィンダムに向かって
ムラサメがモビルスーツ形態に変形して機体各所のCIWSを斉射、バランスを崩した
ウィンダムの片翼をサーベルで切り裂いた。

 距離を取りながらビームライフルを放つブラボー、デルタ小隊。ムラサメはMS形態と
MA形態との間を行き来しながら躱し、MA形態で加速、アルファ小隊を追撃しようとする。

「困るんだよね、無視をされちゃあ」


35 :45  ◆WZm3jzCkZQ :2007/01/04(木) 12:00:54 ID:???
5/9

 ネオはチャーリー小隊と協力してビームの弾幕を張った、
ムラサメは回避行動を取らざるを得なくなり、速度を落とした所でエコー小隊が囲う。

 戦闘の開始から何度も繰り返された状況が再び繰り返された。

「アルファ小隊は……まだ残業中なのか? パーティーが終わってしまうぞ!!」

 ムラサメは一撃離脱を図りながら編隊の陣形へ入り込もうとする。三回に一回は
突撃が成功し、その度に一機ずつ落とされていった。陣形が乱れるとMA形態で
足留め役からの離脱を試し、別働隊が包囲に回る。

 ムラサメに対する一撃離脱を敢行できる腕を持つ者がネオしかなく、これまでに
突撃を阻止するべく十回は噛み合ったが三回は編隊への突撃を許し、
デルタ小隊から二機とブラボー小隊から一機の落伍者を生み出していた。

「落ちた者は気にするな、離脱を阻止できなくなれば攻撃隊がやられる!!」

 中破した機体を救出に行かれては、陣形が保てなくなる。

 ウィンダムの運動性はカタログスペックでは決してムラサメに劣りはしないが、
漆黒のムラサメは手足をカウンターウェイトとして使い、推力線を急激に
変化させる事で複雑なマニューバを生み出していた。

 MA形態で腕を出すだけで空力特性が変わって挙動に影響するはずだが、そんな気配が
無いのは余程OSを自分に合わせて調整しているからだろう。

「だが、幾ら強いとは言っても先は見えたな」

 ネオは戦闘の推移を見守るうちに、二つの理由によって勝機が生まれた事を確認した。


36 :45  ◆WZm3jzCkZQ :2007/01/04(木) 12:03:25 ID:???
6/9

 一つはムラサメ側の損耗。パイロットの消耗もかなりの物になるはずだが、それよりも
ネオは、ムラサメが得意とするビームライフルを余り使用していない事に気付いていた。

 長く続いた追撃戦によって専用カートリッジの備蓄が切れた為であろう。
MA形態で使用可能となる機首のビーム砲は本体の電力を消耗する事となり、
最大の火力を封じたことでネオ達は損害を防ぐ事が出来た。

「借りて来た部隊を傷物にして返すわけにもいかんしな」

 二つ目は、部隊の人間がムラサメの機動に慣れたことだ。幾ら奇抜なマニューバを
繰り返すとはいってもムラサメがとる全体の動きにはパターンがあり、集団戦法が
有効に機能し始めた。

 ムラサメにとっても母艦から遠く引き離された場所で、よもや隠し玉を
用意はしていないはずだ。ネオは囮として死地に立つムラサメパイロットの覚悟を感じた。

 そして、ネオ達が待ち望んだ瞬間がついにやって来た。ここまでほぼ無傷の
チャーリー小隊が放ったビームの斉射がムラサメの足を高熱の牙でもぎ取ったのだ。

 好機。

 ネオはコンソールを操作してウィンダムのリミッターを解除すると、スラスターを
真の意味で全力作動させた。推進器本体の寿命と引き換えに華奢な機体の強度ぎりぎりの
加速度を得る。

 眼の中の毛細血管が切れて赤い筋が浮いたネオの視界で、ムラサメの機体が急激に
大きくなった。ネオ専用のウィンダムはこの戦闘で初めて抜刀する。格闘戦モードに
切り替わるウィンダムのOS。ムラサメもビームの刃を抜き放った。

 激突。一合。

 斥力場同士が干渉し合い、両機の間にビームのスパークを散らす。


37 :45  ◆WZm3jzCkZQ :2007/01/04(木) 12:06:14 ID:???
7/9

 ムラサメがウィンダムの斬撃を受け流す動作は考えうる限りで理想的であったが、
片足を失った機体は衝撃を支えきれずにほんの一瞬よろめいた。

 極短い不安定な時間ではあったが、見逃すネオではない。サーベルを放り投げると、
ビームライフルを構えさせた。ムラサメはCIWS全てを向けて迎撃しようとする。

 本来はミサイルの近接防御用として存在するCIWSだったが、軽量化を重ねた
ウィンダムの装甲は紙同然、直撃を喰らえば行動停止に追い込まれる。

 だが、互いにトリガーを引くその直前に、噴煙を上げつつムラサメに迫る物体があった、
CIWSによる防御も間に合わずムラサメの右腕――正確にはそこに装備された
シールドに突き刺さったのは、"スティレット"投擲噴進対装甲貫入弾であった。

「貰った!!」

 爆発。

 ネオがサーベルを放り投げた瞬間に投擲していた"スティレット"は、その生まれ持った
全ての効果を発揮した。対ビームコーティングが施された盾の表面に容易く食い込み、炸裂。

 ムラサメの機体全体が衝撃に揺らぐ、逸れるCIWSの照準。ネオは万全の体勢から
ビームライフルを放った。銃口から迸る荷電粒子。

 死に物狂いの操作かまたはシステムの誤動作か、ムラサメの機体が痙攣したように
震えて操縦席への直撃は避けられたが、熱線がスラスターの大部分を破損させ、
推力を失った機体は力なく海面へと墜ちて行った。

 墜落する敵機を見送るネオの眼前で、数条のビームが走った。デルタ小隊と
ブラボー小隊のモビルスーツが、僚機を失った怒りを孕む射撃を最早戦闘力の失われた
ムラサメに向かって叩き込む。


38 :45  ◆WZm3jzCkZQ :2007/01/04(木) 12:09:33 ID:???
8/9

 機動力の無いムラサメに何本ものビームが直撃し、打ち抜き、貫き、四散させた。

 原型を留めないムラサメの残骸が海面に激突し、沈む。

 海面に浮いた大量のオイルと残骸をモニターに捉え、全てのウィンダムパイロットが
同時に歓声を挙げた。

『おめでとうございます、ネオ=ロアノーク大佐』
「ああ、アルファチームもご苦労さん。こちらは四機も食われちまったがね」

 ネオは僚機の信号を確認し、落とされたウィンダムを確認した。B2、B5、D1、
D3が信号を返さない。常にムラサメの進路に立ちふさがり続けたブラボー小隊と、
ムラサメに狙われたデルタ小隊から二機ずつの未帰還機を出していた。

 そのうちデルタ小隊のリーダーであるD1は、ムラサメの空対空ミサイルから僚機を
守ろうとして大破、墜落したものだ。

『……こちらもあの後二機喰われました』
「……そうか、本当にご苦労だった」

 A2、A5、A6の信号が確認できない、アルファ小隊は損耗率五割という地獄を
潜り抜ける中で、浮沈艦と言われたAAの撃沈に成功していた。

『残骸は確認していませんが、メインの推進器にビームを叩き込みましたから、
よもや浮かんでくる事はないでしょう。海の中を泳げると言うなら別ですが』
「あの戦艦の神出鬼没振りを考えると……絶対に出来ないとは言い切れないが、
まあ戦闘不能は確実だろう。作戦成功、俺たちの勝ちだ」


39 :45  ◆WZm3jzCkZQ :2007/01/04(木) 12:14:03 ID:???
9/9

「俺たちもムラサメをばらばらにしてやったしね」と言って、ネオは全機に
帰還を告げた。

 全機相当数がぼろぼろで、全く無傷と言う機体はほとんどないが、より無事な
機体がより損傷の激しい機体を支えながら、基地への帰路についていた。

 五つの小隊がそれぞれ描く編隊には、所々に欠けた翼があったが、ネオは
作戦前に感じていた頼りなさというものが今はすっかり消え去っている事を感じた。

 ふと思い立って、データリンクを介して一人ひとりを画面に呼び出しながら
それぞれの武勇を労った。

 あるものは失われた僚機を悲しみ、あるものは自慢気に勲功を誇ったが、
どいつもこいつも作戦前のブリーフィングのときとは、面構えが変わっていた。

 特に新人は既に一端のパイロットだという顔になっている。これから増長したり
スランプに陥ったり快勝したり惨敗したりして、生き残ればそれなりのパイロットに
なれるだろう。

 生き残りたければ、せいぜい幻肢痛を思い出さないように気をつける事だ。
戦場では失われたものを悼む人間から死んでいくらしい。

 ネオは自分の本来の僚機というべきファントムペインの強化人間たちを
思い出しながら、ウィンダムの機首を基地へと向けた。


40 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/04(木) 14:48:15 ID:???
乙GJ乙GJ乙GJ乙GJ乙

新たな投下をまってるぜ

41 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/04(木) 15:48:32 ID:???
GJ!高山版無印のミーティアジャスティス撃墜シーンを思い出したぜ。

で、このあとキラがそのまま死んでしまうのが普通の戦争モノ、
しれっと無傷で生きてるのが「」版種、
ボロボロのミイラ男になりつつも、苦しいリハビリの末に不死鳥のように復活するのが清く正しいロボアニメ。

キミならどれを選ぶ?

(でも現実にもルーデルみたいに清く正しいロボアニメを地でいくヒトもいるからなぁ)

42 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/04(木) 16:05:34 ID:???
乙!できればM1に乗ったキラも見たいな
後はエール装備のウインダムがDアストレイであったから
ストライクの後継機に乗るキラというのも面白そうだ

43 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/04(木) 16:13:31 ID:???
つまりストライクE型の二番機に乗るキラって事ですか
さて、ストライクにグランドスラム一本槍で砂漠基地壊滅させるかwwww

44 :42:2007/01/04(木) 16:51:38 ID:???
>43
いや、そうじゃなくてエール装備のウインダムだから
後継機ってのは譬えだから

45 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/04(木) 17:03:51 ID:???
どうせならビーム兵器が皆無のIWSPがいいと思うよ?
IWSPはマジで何処がエネルギー消費高いのかまったくわからん
対艦刀もビーム無い遠距離は全部実弾

46 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/04(木) 17:09:40 ID:???
>>45
・レールガンは電力をとても食うらしい
・全部載せで重量大幅増なのにエール並の機動力を無理矢理持たせているので消費も大幅増加
・一応ビームブーメラン持ってる
・レーダーだの火器管制だの色々余計な装備が増えてるのでさらに電力消費する

今までに設定スレなんかでこの辺が指摘されているな

47 :42:2007/01/04(木) 17:34:52 ID:???
>>45
インテグレイテッドウェポンズストライカーパック(でいいのか?)は
ルージュのとストライクEの2機しかないとASTRAYなブログでいっている

そもそも一般兵には到底扱い切れない物を使わすのはどうかと思ったので
(だから量産には向かないだろうという理由でジェットストライカーとドッペンホルンに機能が特化したのだろうと思う)
あえてエールにしただけ(ワイドが乗っていたのは本人の自惚れとスウェンの独断としか考えられない)
大気圏内ならジェットストライカーでもいいと考えてる(まあ、連合は物量作戦の力押ししか出来ないか)

48 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/04(木) 18:44:18 ID:???
結局特別仕様キラ様SPな量産機が見たいんじゃないかお前ら
素のままのM1なりムラサメなりで充分だろ?

49 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/04(木) 18:47:06 ID:???
せめて色と反応応答性だけちがって、 無理に動き過ぎると オーバーホールで3日間出れなくなるくらいか?

50 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/04(木) 18:57:47 ID:???
おもうんだが、M1でいいじゃん
もしくはレイスタ。そいでバリー見たくきびきび動くでも拳法は使えない、これ。
でもイボルブみたいな強引な動きや、武器や鈍器はそこそこ撃てて使える、コレ最高。
でもコレをすると描写や構成やキラの動かし方に死ぬほど頭使わなきゃならなくなる
という諸刃の剣

51 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/04(木) 21:18:58 ID:???
キラの動かし方?
戦闘描写のことか?

52 :42:2007/01/04(木) 21:19:23 ID:???
>>48
さすがにそれは言いすぎじゃないか?俺たちは別にミゲルジンのようにしろってのは言ってねーだろ
OSは個別にしなけりゃ話にならないし
或いは傭兵となって生活させるとか

>50
レイスタよりシビリアンアストレイジャンク屋ギルド仕様のほうが問題にならないだろ

53 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/04(木) 21:24:42 ID:???
つまり種死を舞台にしてコロニーに落ちた地でをやれというんだろ? 機体的に。

54 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/04(木) 21:49:24 ID:???
そういうわけでもないだろ、多分

55 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/04(木) 21:50:55 ID:???
2スレ目いってたのか・・・
正直>>500もいかずに落ちると思ってた

56 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/04(木) 22:11:39 ID:???
キラをとことん不利な設定にしなければ、誰も勝てないって……、どういう事よ!。
そりゃあ、核兵器の直撃でなければ、殺せるか解らないからって……。

57 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/04(木) 22:21:31 ID:???
>>56
つルージュVS永遠を落とせない赤雑魚(25機がかりで落とせない)
つ核エンジンの自由(最初から種割れ)VS衝撃(シンは種割れなし)システムは交換のみあり

とことん不利な設定にしなければ、誰も勝てない?

58 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/04(木) 22:29:30 ID:???
……発言からして多分同一人物だろうけど、前スレは彼の自演が酷かったな

59 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/04(木) 22:47:39 ID:???
スレ違いかもしれないがあえて言う
運命の武装はは正義のバックパックを取り替えたようなものだ
機関砲、ライフル、シールド、ブーメラン(サーベル代わりにもなりえる)は
そのままで、VL,アロンダイト、高エネルギービーム砲、ビームシールド、パルマ・フィキオーナだけがちがう

ということはスト不利や隠者に勝てないのはむしろおかしくないんじゃねーの?まだ伝説のほうがマシ
つーかどんな機体にも弱点もあるし量産機でも勝てないのは普通におかしい
せめて五分五分には持ち込めるだろ

60 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/04(木) 22:53:36 ID:???
>>59
対艦・対大型MA用装備の運命と
対MS用接近戦装備の隠者・対高速戦砲撃MSの和田

なるほど、こりゃ勝てないのはおかしくねーわな

61 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/04(木) 22:54:21 ID:???
量産機に載せてまでキラきゅん最強!見たい訳じゃないってのがこのスレの存在意義だと思うんだが違うか?

名無しが乗る格上機、たとえばザフト機ならせいぜいセカンドステージに何とか一矢報いる程度でいい
名無しのグフ2機相手にムラサメ相手にどれだけ『補正』を感じさせずに戦うか、というノリじゃないのかね?

ムラサメ1機で敵の量産機30機撃破!とか運命伝説撃破!とかセイバーダルマ!とかは無理だろ

62 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/04(木) 22:56:20 ID:???
>>59
どっちにしろ、量産機には勝てない厨機体だって事は良くわかった
ファーストはそんな事なかったのになぁ、、、量産機でも腕のいいパイロットが乗ってチューンしてあれば
ガンダムにだッて比類する性能発揮できたもんだ

63 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/04(木) 22:57:54 ID:???
まぁムラサメ三機でカオス撃破ってのは名無しがエース倒すのとしてはいい演出だったと思う
あーいう数の怖さってのをもっと見たかったね

64 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/04(木) 22:59:34 ID:???
>>59
>せめて五分五分には持ち込めるだろ

いや、これは量産機じゃ無理だろ
連携が出来るやつが罠仕掛けてある宙域に誘い込んで複数で撹乱しつつボコにするのが最上
一番いいのは、ニュートロンスタンビーター手に入れて(この場合、それを手に入れるに至るまでの冒険を描かないと面白くなくというか厨展開認定されて終わるが)
照射する事、最低でも核は封じられてこれならなんとか勝てる

65 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/04(木) 23:09:58 ID:???
3〜5機くらいで連隊組んで捨て身の攻撃で
上位機体と相打ちとかでも燃えるな。
パイロットが無傷とかだと厨っぽくなるので、片腕を失うとか・・・

66 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/04(木) 23:11:38 ID:???
オクレも五体満足だったよね
まぁデストロイに乗った後運命にやられたけど

67 :65:2007/01/04(木) 23:13:57 ID:???
いや、この場合のパイロットっていうのは捨て身で突っ込んだキラの方で

68 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/04(木) 23:19:22 ID:???
腕の良いパイロットでも、高性能機撃墜にはそれ相応の犠牲が必要のはずなんだが
本編最終話で主役機は全機が無傷……

69 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/04(木) 23:23:18 ID:???
「キラ、言われたとおりにチューニングはしておいたぞ」
「ありがとうございます。マードックさん」
「だけどよ、ここまで、無茶苦茶なチューニングをしなければ、勝てないのか、おまえさんが」
AAの格納庫では、決戦前の出撃準備に追われ、右から左への喧騒に包まれていた。
「ザフトの新型2機と、白いザクに勝つには、ここまでしなくては勝てません」
マードックとしては肩を竦めるしかなかった。
「頼によって、アスラン・ザラがザフトに復帰して、ザフトの新型機のパイロットになっているとはね……」
「僕に取っ手も、想定外でした」
キラ専用に開発された、特別仕様の強化型ムラサメのコクピットに、乗り込んでキラは機体のチェックを行った。
「どうだ」
「ええ、これなら、何とか行けるでしょう」
「余り、無茶するなよ」
マードックの気遣いに、キラは微笑み。
「帰って着たら、機体の整備をお願いします」
「ああ、任せろ」
幾多の、死線を潜り抜けて来た二人に、これ以上の会話は不必要だった。
『作戦開始15分前です。ムラサメ各小隊、全機発進ですわ』
作戦開始を知らせるラクスの声が、格納庫に美しい声が朗々と響く。
「やれやれ、あのお嬢ちゃんも志願しなくてもよいものを」
マードックの言葉に、キラは苦笑する。
「ラクスが決めた事ですから。では、マードックさん行きます」
「おう」
マードックは機体から離れ、キラはコクピットを閉ざし、機体を起動させる。
(アスラン、なんであんな陰謀に加担したのさ!。容赦しないよ)
AAは、トダカ一佐の指揮する空母タケミカズチ機動部隊の指揮の元で、地球連合軍太平洋艦隊と共に、ザフト・カーペンタリア基地攻略作戦に乗り出していた。

70 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/04(木) 23:59:14 ID:???
【ミネルバ】
『アスラン・ザラ』
「なんです、グラディス艦長!?」
アスランは、セイバーのコクピットで、機体の最終チェックをしながら出撃命令を待っていた。
『議長に言いたい事は、山のようにあるのでしょうけど、ここは我慢をして欲しいわ』
「……ええ、わかっています。……やはり、AAは出て来ていますか」
『間違いなく出て来ているわ。しかも、先方としてね』
ミネルバのブリッジとパイロット達は、緊張しないがら二人の会話を黙々と、仕事を熟しながら聞く耳を立てていた。
「……そうですか……」
突破口を切り開くのがAAの役目だろうと、アスランは推察した。
『本艦の役目は、AAの撃沈!。それが役目よ。いいわねアスラン・ザラ』
「了解です!。グラディス艦長」
アスランは、複雑な心中を悟られぬよう毅然たる返事をし、タリアも表面は納得して会話を打ち切った。

「艦長、カーペンタリア基地指令部から本艦に出撃命令です」
「艦長、早期警戒機からデーターが送られてきました。敵艦隊から、多数の出撃機を確認」
メイリンとバードからの報告で、デュランダルへの怒りを押さえてタリアは決断を下す。
「コンディション・レッド発令、対空・対艦・対潜・対モビルスーツ戦用意。MS全機発進せよ」

「シン・アスカ、コアスプレンダーいきまーす」
「アスラン・ザラ、セイバー発進する」
タリアの出撃命令を受け、ミネルバからインパルスとセイバーの2機が発進していく。それと同時に、カーペンタリア基地と海中艦隊からMS部隊が、次々と地球連合軍とオーブ軍に向けて出撃していく。

71 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/05(金) 00:34:18 ID:???
「ババ一尉、後ろから連合軍機です」
AAから発進したムラサメ部隊の指揮を取るのは、先の大戦の経験者でもあるベテランパイロットババ一尉であった。
「ん」
キラからの通信を受けて、IFFを通じて連合軍機と確認した。
『こちらは、ファントムペイン。スウェン・カルバヤだ』
ファントムペイン!。AA隊と同様に、突破口を切り開く先鋒隊を任されている部隊だ。
「こちらは、オーブ軍ババ一尉だ。連絡は受けている。よろしく頼む」
連合軍の新型機ストライクEを先頭に、X105スローター36機がAA隊20機と並ぶ。
『こちらこそ、よろしく頼む』
ババはストライクEのパイロットが、寡黙なのか冷静なだけなのか判断が付かなかった。
「我々の役目は、友軍の突破口を切り開く事が目的だ。かなり過酷な任務だぞ」
『じゅうぶん、承知している』
「ならいい」
冷静なだけなのかも知れないが、何処か感情の欠落をババは感じ取っ手いた。
『くるぞ』
スウェンの言葉とおりに、前方から迎撃に上がって来たザフト軍機をババら全員が確認した。どうやら中に、ザフトの新型MS2機の存在を赤外線レーダで確認した。
「全機、対空レンジオン散開」
ババの命令と同時に、連合軍・オーブ軍機は各小隊事に散開をして、戦闘に突入した。その中で、キラ、ババ、スウェンの三人だけは、単機での戦闘に突入した。

72 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/05(金) 00:35:26 ID:???
とりあえず、今日はこれで終わります。

73 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/05(金) 02:00:49 ID:???
あーなんかもうSS始まってるんだな。
クソ、出遅れた。

74 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/05(金) 02:13:08 ID:???
乙です

75 :59:2007/01/05(金) 12:28:13 ID:???
>>72
スウェン・カル・バヤン、ストライクノワールじゃないの?正式名称はストライクEでも
ノワール装備が基本だからEじゃなくても良いだろ、それに105スローターダガーだから
それともIWSP?スローターの場合はジェット装備でもありかも(ワイドが使うはずだったように)

76 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/05(金) 12:40:08 ID:???
>>75
単純にノワールストライカー、火星人に落とされてからまだ直って無いんじゃね?

77 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/05(金) 14:23:28 ID:???
IWSPでいいじゃん

78 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/05(金) 14:24:12 ID:???
とりあえず誤字が酷すぎるな

79 :45  ◆WZm3jzCkZQ :2007/01/05(金) 17:37:28 ID:???
 ムラサメに乗ったキラで、三度何とかしようと思います。

 武装は以下の通り
CIWS×6
機首の高エネルギービーム砲
"イカズチ"ビームライフル (バッテリーパック付)
"ハヤテ"空対空ミサイル×4
ビームサーベル×2
シールド
 OS改造済み
 バッテリー駆動

 相手は機体>>90  パイロット>>95

 戦場は太平洋上空、時間は昼、互いに損傷なしでスタート

 それでは安価射出


80 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/05(金) 18:17:01 ID:???
ksk

81 :59:2007/01/05(金) 19:54:13 ID:???
>79
今思ったんだが、バッテリーパックと、少なくてもビームサーベル2本って必要ないんじゃないの?
ビームサーベルの二刀流よりサーベルとシールドのほうがムラサメの戦闘コンセプトらしいと思うんだが
つーかムラサメってサーベル一本のはずじゃないか?

82 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/05(金) 20:03:57 ID:???
つオオツキガタ

83 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/05(金) 22:12:18 ID:???
このスレってキラ視点じゃ無くても投下OK?

84 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/05(金) 22:19:41 ID:???
>>82
ウィキ見て来い
そもそも二本も必要ないだろ、自国防衛用の量産期だし(だからバックパック換装型じゃないし)

85 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/06(土) 01:34:43 ID:???
>>83
おk

86 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/06(土) 01:37:02 ID:???
キラが量産機に乗っていれば誰視点だろうが問題ないさ〜

87 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/06(土) 01:47:37 ID:???
ムラサメはフリーダムの様に気軽に盾を捨てる事が出来ないから一本でいいんだろうね。

88 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/06(土) 10:19:24 ID:???
ビームサーベルの2本目っていうのは、大体において『予備用』だよ。
だから、量産機には予備パーツをつけないって事なら1本で良いかもな。
つか、MS戦闘でビームサーベル二刀流で突っ込むなんて、ただのバカか
よほど格闘戦に自信ある(過信に近い)パイロットだけだ。

89 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/06(土) 10:47:24 ID:???
ビームシールド機体なら二刀流おkだな

90 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/06(土) 11:14:10 ID:???
>>89
OKだけど、ベストでは無いような。やっぱり射撃武器の1つくらい、
常に撃てるようにしておくべき。サーベルを2本装備する事自体は問題無い
と思う。

91 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/06(土) 11:26:20 ID:???
 >>2を見て思ったんだけど、本編とは絡まない方が良いって事はどういう意味?
勝手に本編を捏造して、種死キャラと絡ませてOKなのか、
 アニメ本編のシナリオとは切り離して、オリジナルのストーリーで書いてOKなのか。
特に後者の場合、オリキャラ、オリMSは良いのか?
 書き出してから注文をつけられるとお手上げなので、書く前に教えて下さい。

92 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/06(土) 11:39:21 ID:???
いや、好きにしたら良いと思うぞ。
このスレ的にNGなのは超MSで動かない相手に俺TUEEEEEE!!する事であって
ムラサメ〜ってのはあくまで性能差ではなく、むしろ格下のMSで格上のエース相手に
中の人の技量で壮絶バトルするキラが見たいって例えだし。

絡む絡まないってのも本編の結局主役食っちゃうだけのgdgdっぷりが問題なわけだから
先代主人公らしい慎ましくも元主役の凄みを見せてくれる良き先輩的な活躍にして欲しいっていうだけだろう。
それにキラが主役の良い話って言うのは健康的スレがあるからね。
面白ければ無問題なので、あくまで要望の一つってことで。

93 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/06(土) 11:55:44 ID:???
センチネルのアムロみたいに
「実は本編に出ない所でゼータプラス(ムラサメ)に乗って活躍してました」的な外伝が読みたいな。
本編で設定しか出てこなかった戦線とかに参加すれば、
オリMSの乱発も防げるし。

94 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/06(土) 11:58:12 ID:???
>>91
オリキャラはいいけどオリMSはちょっとな・・・

95 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/06(土) 12:01:41 ID:???
オリ改造→行き過ぎなければ良し
オリMS→種にオリMSはちょっと、、、

こうですか?

96 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/06(土) 12:03:43 ID:???
トラサメレベルのカスタムまでじゃない?
それ以上は多分アイタタだよ。
自己満足にしかなんないんだし

97 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/06(土) 12:07:53 ID:???
時代背景の違うアフターとかならまだしも
本編準拠じゃコマは揃ってるんでオリMSは話に深みが出るわけじゃないからな。

98 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/06(土) 12:23:02 ID:???
つまり、オプションパーツは青枠を参考に、、、
と、こうですか?

99 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/06(土) 12:32:35 ID:???
ゲテモノ兵器持つくらいならムラサメのままでいい

100 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/06(土) 12:34:43 ID:???
つまり、
アホみたいにミサイルを背おって見たり(本体には改造しないので必然的に重くなる変わりに板野サーカス?)
センサー系統とFCSをミラコロ破れるレベルにまで強化してみたり(副作用として運用出来るビーム兵器が限定される)
オオツキガタに装備されてるレールガンとFCSレーダーを無理改造で大気圏運用してみたり(副作用としてMAへの変形が出来なくなる)
逆にハイスピードなブースターをくっ付けてみたり(ハイスピード過ぎて狙いが前方にしか定まらない上に打ち抜かれたら即爆発する)
スケイル・システムを付けて水陸両用にしてみたり(海の中にもぐれて変形も出来る、やられそうになったら海に潜るチキン戦法推奨)
ローエングリンランチャーと核エンジンをつけて見たり(重い上にNJCが無いのでNJC搭載機の至近距離にまで潜り込まなきゃとても発射出来ない)
全身をFAPSで覆ってみたり(太陽に潜り込む事もできるがCE73年の未来技術でしか作れないので多分このスレでは出せない)

と、こうですか? 判りません!!

101 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/06(土) 12:36:06 ID:???
>>100

  全  部  欠  陥  品  じ  ゃ  ね  ぇ  か  ー  ー  !  !  !

102 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/06(土) 12:38:59 ID:???
>>100
天ミナのマガノイクタチとオキツノカガミは!?
パワードレッドブレイズやレッドフレームMJの勇姿は何処に!!?

103 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/06(土) 12:39:35 ID:???
外道の兵器はいらんだろ

104 :91:2007/01/06(土) 12:39:57 ID:???
 解った。どっちかっていうと気になってたのはオリキャラの方だった。
アニメ本編に絡まず、アニメ本編キャラ以外を出さないという手品を
どうやったら良いか困ってたんだ。
 ムラサメに乗るキラの話は既に良戦闘シーンを入れたSSが投下されてるんで、
シュライク装備のM1アストレイ(チューン無し)に乗ったオーブ兵士キラ=ヤマトを
やろうかと思う。階級は三曹で(つまりババとかの部下)

 とりあえず予告まで。

105 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/06(土) 12:40:11 ID:???
>>102
馬鹿メ、奴等ハ(システム的二)死ンダワ!!

106 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/06(土) 12:41:20 ID:???
>>105
アストレイーーッ!!

107 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/06(土) 12:44:30 ID:???
>>105
 S           S          F
そこまでに しておけよ 藤村

108 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/06(土) 12:51:16 ID:???
FAPSって何ぞやと思ってぐぐってみたら営農計画支援システムが出てきた

109 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/06(土) 13:12:05 ID:???
>>101
あんまり強化するとFAG(新シャア最強の厨機体)になるからな…

110 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/06(土) 13:23:39 ID:???
>>92でFAでしょ。変なアイテムが必要な場面なんてそうそうないし。
装備がどうこういってる人は話じゃなくてオレ設定語りたいだけなんだから、あんま気にする必要はないかと。

111 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/06(土) 13:25:47 ID:???
>>103
>>105
アストレイについてとやかく言うのははやめろ、安置なら安置スレに言ってくれ
本編と外伝、両方のファンの人が見るかもしれないんだから
叩きはNG、煽り嵐はスルー、これだけはちゃんとしようぜ

112 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/06(土) 13:30:24 ID:???
>>110-111
どっちも禿同
煽り叩きは論外だ。
装備も悪くは無いが突き詰めると量産機の意味が無くなり、それこそフリーダムと(ryになる。
今までのガンダムでそんなヘンテコアイテムが必要になった場面はあまりないし
青枠のはそういうコンセプトのお話だからなあ。前提が違うんじゃないか?

どうすれば燃える展開になるか、とかそっちを考えたいね。

113 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/06(土) 13:55:52 ID:???
別にキラが敵役でもいいんだよね?

114 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/06(土) 14:05:53 ID:???
そりゃ種死中盤じゃ敵として扱われてた品

115 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/06(土) 14:59:48 ID:???
ただスレ違いではあるな
性能の劣る機体で有利な敵を技術と工夫で倒すのと、味方の連携で強力な敵を倒すのは別物だろ

116 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/06(土) 15:49:53 ID:???
別にキラサメをパイロットの技量のみで強敵として描いてくれれば問題なかろ
無論やりすぎはご法度だがね

117 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/06(土) 16:24:37 ID:???
でも中盤辺りで倒されるかませっぽいよね<キラサメ

118 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/06(土) 16:30:27 ID:???
そりゃ量産機だし

119 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/06(土) 16:32:03 ID:???
でも凸がグフで運命伝説相手にそこそこ逃げたから
セカンドと対等には戦えそうだな

120 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/06(土) 16:59:52 ID:???
運命の再構成をやらなきゃ話しが進まない気がする

一例として、キラがオーブの将校でカガリとアスランがミネルバで戻ってきたときにキラもそこにいる
そこからオリジナル展開とか

121 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/06(土) 21:53:27 ID:???
>>120
同意。その考えだとセイランの独裁政治体制まがいのものではなく(小説版ではそんな感じだと思う)
ミナ様との連携もやってるとか?・・・でもそれじゃデルタの話に影響があるから一概にいえないか

122 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/06(土) 22:01:36 ID:???
>>121
正直、面白くなるならデルタはどうでもいい
それ以前はともかくね

123 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/06(土) 22:12:16 ID:???
現在進行形のアストレイとかまで気にするとキリが無いから
欲しいアイデアだけ貰って基本は職人の解釈で再構成したらいいと思うよ。

124 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/06(土) 22:49:06 ID:???
アストレイは無視していいだろ
キラが超有名人とかいう意味不明設定とか穴多すぎだし

125 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/06(土) 23:04:02 ID:???
 アストレイについてとやかく言わんほうが良いんじゃ無かったのかw
とりあえず>>123案採用で、
 作者がやりたければキラを超有名人にし、ミナ様?でも登場させれば良い。
やりたくなければ出さなければ良い。って書けば全て済む話だろう。

 スレ立てた人の希望は『むしろ本編とは絡まない方が良い』との事だから、
外伝キャラを上手く活用する機会じゃない? というのが個人的な意見だけどね。

126 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/06(土) 23:47:43 ID:???
まああんまりとやかく言うのもアレだ

キラが量産機という最低限の事さえ守ってくれたら後は書き手次第でいいじゃん

127 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/07(日) 09:54:57 ID:???
気が早いがもし次スレが出来るまで続いたら

煽り荒しはスルー
本編および外伝の叩きは厳禁
作者様への行き過ぎた指摘は抑えること(叩きになりかねないので)
スレの趣旨から脱線した話はほどほどに、楽しみやすいスレ作りに協力しましょう

と追加したほうがいいと思うのだがどうだろう?

128 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/07(日) 09:58:36 ID:???
いいんじゃないかな。
気が早いにも程があるけどw

129 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/07(日) 09:58:54 ID:???
>127
それ自体はかまわないと思う、次スレが出るまで続けられるかはともかくとして・・・

130 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/07(日) 17:22:47 ID:???
ジャン・キャリーのM1はバックパックにライフルとシールドがマウントできるって
設定がHJ10月号に乗ってた、一般機より性能の高いミゲルジンと同じようにキラ仕様って
ことでこういうことしちゃまずいかな?

131 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/07(日) 17:26:08 ID:???
エース使用だから性能が高い云々以前に
技量が弱いパイロットの乗る量産機にこそ、そー言うサポート機能を充実させるべきだと思った

132 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/07(日) 17:28:50 ID:???
エース機をカスタムする資金は有っても
カスタム機を量産する金は無いのさ

133 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/07(日) 17:37:06 ID:???
オーブは自国防衛用のモビルスーツしか作らないんだからしょうがないんじゃない?
いまさらだが、AAとフリーダムはジャンク屋ギルドが回収して個人の(この場合マルキオか)
所有物ってことにしておけば条約違反云々はドレッドノートHの様に問われないんじゃないかとおもった

134 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/07(日) 17:40:34 ID:???
馬鹿元首<条約は連合とザフトが結んだものであってオーブには一切関係ないんですぅ><

135 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/07(日) 17:44:08 ID:???
>>133
>オーブは自国防衛用のモビルスーツしか作らないんだからしょうがないんじゃない?

軍を引け↓オーブ艦隊
ttp://www.youtube.com/watch?v=OSsf9oS4VXc&mode=related&search=
カガリ この身を焼かれたほうが↓オーブのMS技術
ttp://www.youtube.com/watch?v=OP4YsDd0Ebo&mode=related&search=
つ強すぎる力は↓オーブ軍、その絶大なる勇姿
ttp://www.youtube.com/watch?v=zHymszzWYl8&mode=related&search=
        冂    \ ィ ===┐   \\   /i__/ / / /: .:
 \    /|ニ | \  //|    .|、    \_\/ |  ∠/  /: : :.
  丶\/  {三lヾ  /,ィ /l、    | \   / ̄\//   /: : : : . .
    ヽ\_「 ̄ト‐",イ }/ ト== イ ,へ、\/    >   /: : : : : : :.:.:
     入__L=|_,∠, i |/  |     | ,へ \/    ハ\ヽー――――
     ト|ヽ-∨ヾ彳// } ‐--- |、_`/ ヽ、__ ィ 、  \、-――":.:..
     ヽ ヾ`〒"/ /  /     !   / ヽ、 /、\   ヽ: : : : : : : :.
      / ̄7ニ//  / ̄    \/   イ\ \ \  \ー---
     /  ̄/yへ _ /            | \\  \__ , \―
    /  / /_ /  ̄ \ _ / | ̄/\   \ / ̄/  / \ ヽ、:.
   〈―<  ,/二ニ= ∠ / ヽ .! ./ /l    ̄ ̄ ̄ヽ、    / \:.
   ヽ _/    └ }   {-- { ⌒ }'  /       _ 上 _ / \:. :. .
     {  ̄ ̄〒" ,イ  ̄  ヽ/ Y´=--/      イ  \ \  \
     L ___ |/ |\   \_|___/ \    -= \  \ \
         | , へ| | ヽ、_        フニ{  __ ヽ、  \ \
     /二二! ヽ/ !_  |ヽ、    ./   ヽ「  __丶   \
   //  /  /ト 、  /ヽ|  ` ー\      丶「 ー‐‐ :}
, " /    |\/  |  ̄| ー「|   \  \      ヽ=---"
 ∠-― 二.|ヽ | / |   !  | |    ヽ / !
  /    |  |   |  l   | |   -―' /|

アンタは一体何なんだぁぁぁぁぁ!!!


136 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/07(日) 17:46:55 ID:???
っていうかさ、オオツキガタって明らかに防衛用の機体じゃなくねぇか?
大量に配備されたんだろアレ?

137 :45  ◆WZm3jzCkZQ :2007/01/07(日) 18:03:00 ID:???
  ムラサメに乗ったキラで、三度何とかしようと思います。

 武装は以下の通り
CIWS×6
機首の高エネルギービーム砲
"イカズチ"ビームライフル (バッテリーパック付)
"ハヤテ"空対空ミサイル×4
ビームサーベル×2
シールド
 OS改造済み
 バッテリー駆動

 相手はセイバーとカオス、パイロットは原作通り。

 戦場は太平洋上空、時間は昼、互いに損傷なしでスタート

 それではSS投下開始。


138 :45  ◆WZm3jzCkZQ :2007/01/07(日) 18:04:28 ID:???
1/

「なんて奴等だ、戦闘で俺を圧倒するだと――!」

 モビルアーマー形態をとるカオスのコックピットで、ファントムペインの
強化人間スティング=オークレーは思わず舌打ちを漏らした。今までこれ程までに
自分の機体の特性に不満を覚えたことは無い。

 高度を上げる深緑の機体を無視して、真紅と漆黒の戦闘機が壮絶な格闘戦を
繰り広げていた。軌道を交差させ、追随し、捻り込み、互いの機体の合間を
ビームライフルの熱線で埋めていた。

「ちっ! 宇宙だったら――じゃねえ、今の戦いに集中しろ」

 スティングは二機の動きを先読みしながら加速を開始する位置と角度を模索していた。
目まぐるしく速度を変えて戦闘を続ける赤と黒の戦闘機――モビルアーマー形態の
セイバーとムラサメはスティングの予想を遥かに超える機動を見せて、二秒先も
予測することが出来なかった。

 此処が真空の宇宙であればカオスは背中に負った機動兵装ポッドを切り離し、
本体を自在に動かしながら多角的な攻撃で以って二機をまとめて十分に戦う事が
出来たであろう。しかし重力と空気が分厚い障壁となって本来の戦力を封じていた。

 この俺が一撃離脱で嫌がらせ程度の事しか出来ないとは――スティングは
全身を襲うGに顔を歪めながら歯噛みする。並みのパイロットであれば宇宙用の
カオスであっても、背面のブースターで飛翔しながら片手のビームライフルのみで
制圧する自信があった。

「どんな操縦してやがるんだ」

 しかし二機のモビルアーマーは優れた空力特性を以って大気を存分に捕らえ、
空気の流れを微細にコントロールすることでスティングにも捕捉が困難なほどの
運動性を確保していた。どちらかと接近戦にもつれ込んだところで、マニューバで
掻き回された上に回避不可能な一撃を喰らうだろう。

「ネオが居れば、せめてあのムラサメ野郎だけは確実に落せるのによ」


139 :45  ◆WZm3jzCkZQ :2007/01/07(日) 18:05:46 ID:???
2/

 数十トンのモビルスーツで嫌味のように軽やかなマニューバをこなす黒いムラサメは
スティングの部隊"ファントムペイン"にとっては疫病神の代名詞で、これまでに何度も
作戦を妨害され、煮え湯を飲まされてきた。

 それゆえにムラサメに対する経験も否応なくつむ事になり、ネオのウィンダムと
スティングのカオスはそこそこ機動力に対応できるようになってしまった。
そのネオはといえば現在、オーブのムラサメ部隊と戦闘を行っている。

 上空には彼の僚機であるガイアもアビスも届かないが、若しこの三つ巴の状況に
ネオが間に合えば、セイバーの攻撃を牽制としてウィンダムが二機の間に割り込み、
バランスを崩したどちらかをカオスが一撃の元に葬る戦法で十分に勝算が在る。

 カオスの機体の高度が在る目安に達した。飛べるような空力特性――平たく言えば
羽を持たないカオスは推力線の向く方向にしか進めない、雑兵相手ならばたいした
事ではないとすら言える宇宙用の欠点ではあるが、セイバーとムラサメを前にしては
格闘戦において絶対の差が出て仕舞う。

 突撃開始。意識を区切って本体と切り離した二つのポッド、三つの操作を同時に行う。
先ずはポッドを先行させる、カオス本体は機体前面に空気を受けるようにして落下速度を
落した後に追随。スティングは二つのポッドと本体の三つの視界を同時に意識してのけた。
三つの視野で赤と黒の点が見る見るうちに拡大され、モビルスーツとなる。

 打撃のようなG。

 二つの機体を観察し、セイバーがムラサメにビームライフルを放つ瞬間を先読みして
攻撃を仕掛ける。両機とも正確で無駄の無い射撃を行うがゆえに、時々タイミングを
読める事があった。二つのポッドが先端からビームを連射してムラサメに回避機動を
取らせる。

 加速、変形、脚部を振って方向変換、再加速、変形しつつ減速、逆噴射して方向転換。
曲芸のようなマニューバで殆どの火線を回避されたが、本命はモビルアーマー形態で
急降下するカオス本体のビーム砲だ。


140 :45  ◆WZm3jzCkZQ :2007/01/07(日) 18:08:23 ID:???
3/

「外すなよ――此処だ!」

 OSに回避機動の候補を挙げさせ――幾度にもわたる戦闘は相応のデータを部隊に
もたらしていた――其処に追い込むように公算射撃、十中八九でムラサメは火線に
飛び込むように直撃を喰らうはずであった。しかし――

「躱す――だと!」

――外れてもバランスを崩させる程度には至近弾となるはずのビームは直前であっさりと
方向転換されて逸れ、遥か下の海面で水蒸気爆発を引き起こした。空振りしたカオスは
速度をコントロールしてポッドを回収するとそのまま高度を下げて間合いを離し、
海面近くで機首を起こした。

 まさか、こちらのOSを先読みしていやがるのか? 下方向に掛かる加速度によって
脳髄から血が引きながらもスティングは思考した。戦闘開始前に静注した人工血液は
赤血球の数倍の酸素運搬能力を持つという説明だった。副作用は教えてくれないが。

 ファントムペインにマニューバのデータを取られているのは当然知っていようが、
こちらのOSが示す先読みを回避するように自分のOSに更に先読みさせるというのは、
困難ではなくとも凄まじく地味な作業を必要とする筈だ。

 スティングは毎回母艦に帰る度にこつこつとOSを調整し続けるパイロットを
想像した。戦場では鋼の塊に軽業を取らせる根暗のハッカー。どんな野郎だ。

 気に食わない、スティングはこの時初めて『邪魔をするムラサメ』ではなく
『邪魔をするムラサメを駆るもの』として中に座る人間へ殺意を抱いた。

 そして更に気に食わない要因がカオスの通信機に拾われている。

『キラ! いい加減にしろ、俺たちが争っている間に世界がどうなるか――』
『引けるならここまで来てないよ! 君こそ何故ザフトに戻っているんだ、アスラン!』

 ビームとともに宙を飛ぶ無線通信。

 巫山戯るな手前ら、戦闘中に敵とおしゃべりするんじゃねえ。

141 :45  ◆WZm3jzCkZQ :2007/01/07(日) 18:10:45 ID:???
4/

 このままでは埒が開かない、そう思いながらアスランは操縦桿を引き倒した。
視界の中で風景の天地が入れ替わり、モニターの中をビームの熱線が通過する。

「キラ、話を聞け! お前もAAも正規軍じゃない、戦場に顔を出すなら
正当な手順を踏んでから来い」
『君にはすまないと思うけど、表玄関からじゃあ入れない処が有るって事だよ。
そしてカガリは其処に踏み込むことを決めた、ラクスもだ』

 強力な加速度に呼吸を制限されながらアスランはキラの説得を試みたが、友人は
頑として言うことを聞かない。質問とともにライフルを放ち、返答代わりのビームを
回避する事にいい加減うんざりしてきた。

「――! それは、連合とプラントの裏側に攻め込むという事か!」
『そうだ、オーブが連合と手を切るだけのカードになる情報を集める』
「戦場に軽々しくそんなものが在るか!」

 戦場には真実など無い、探そうとすればするほど見つかるのは死人だけだ。
だからこそ死人を覆い隠すために、人はわざわざ兵士を棺桶に――モビルスーツに
乗せて戦場へ送るというのに。

「狙いは――ブルーコスモスなんだな! ロゴス、そのロード」
『ああ、だから』
「だからといってこの場を見逃せるほどには、俺は偉くないんだ!」

 連合、オーブの同盟軍が今しもザフトと一戦交へようというところに、連合の中で
極め付けに在る組織の息が掛かった部隊、ブルーコスモス直属のような部隊である
ファントムペイン"だけ"を攻撃させろ、それを見逃せと言う。

「お前は囮になる心算なんだろう! キラ、そんなことまで出来るなら、どうして
オーブでカガリを助けようと考えなかった!」

 キラはブルーコスモスだけを邪魔し、刺激し、あぶり出し、自分に反撃の手を
向かわせることで何かを得ようとしている。おそらくラクスの差し金だろう、
十年後には「あれは意味が有った」と言える事なのかもしれないが、アスランには
何がしたいのか分からない。

『セイラン家には悪いけれど、オーブに戦争をさせるのはアスハ家じゃまずいから』
「やっぱりか! しかし手段を考えろ」

 どうしてこんな奴と友達を未だにやっているのか不思議でならない。
きわどいタイミングで放たれたミサイルをCIWSで迎撃しつつビームライフルを
構える、モビルスーツ形態の運動性ではセイバーに軍配が上がる。


142 :45  ◆WZm3jzCkZQ :2007/01/07(日) 18:12:23 ID:???
5/

「お前たちのやり方では、返って混乱を招く事になる。オーブに戦争をさせないことが
目的なら、尚更カガリをオーブに帰せ!」

 キラの駆るムラサメは戦闘機形態で回避、ザフトにとってのセイバーが
『戦闘機になれるモビルスーツ』であるのに対して、オーブにとってのムラサメは
『人型になれる戦闘機』であるために、それぞれ得意とする状態が違う。

 セイバーにサーベルを抜かせて加速、肩口から袈裟切りに打ち込もうとしたが、
鍔迫り合いを嫌ったキラにCIWSとライフルで牽制され、加速を緩めた隙に
間合いを離される。

『アスラン、君とは戦いたくない! 銃を降ろしてくれ!』
「それが出来ないのが、戦争するということなんだ! 退くか降れ、キラ!」

 強靭なフレーム、充実した火力、莫大な推力、VPS装甲、MA形態での運動性と
稼働時間を除いてムラサメがセイバーに勝る要素は無い。操縦者の技量はほぼ互角、
にも拘らずアスランが此処まで苦戦するのは何故か、それはアスランとキラが自分の
機体に触れ続けた時間の差だった。

 フェイスの称号と共に完成品を受け取ったに過ぎないアスランとは違い、キラは
それこそムラサメが設計図の中にしか存在していない時から関わっている。パーツ
一つ一つの重量や剛性まで把握していると考えてよかった。

「そこまで機体を完成させておきながら、キラ、お前のやっていることは
――只のテロだぞ!」

 返事は一条のビームだった。

「くそ、キラァ!」

 全体のバーニアを吹かして回避、追いすがるように機体を狙うCIWSの弾幕は
ヴァリアブルフェイズシフトが弾くに任せた。12.5mm機銃弾の攻撃力で沈む
セカンドシリーズでは無い。

 反撃の火線を送るが、風に舞う木の葉を棍棒で殴るが如し、ひらひらと冗談のような
マニューバがビームを躱していく。

 技量は互角、性能はセイバー、経験がキラ。総じて殆ど千日手に陥る程互いの戦力が
拮抗しているが、VPS装甲と機動に大量の電力を必要とするセイバーが確実に早く
エネルギーが尽きることになる。


143 :45  ◆WZm3jzCkZQ :2007/01/07(日) 18:14:11 ID:???
6/

「バッテリー狙いか、いろんな手を打つようになったな」

 攻め手に欠ける。このままフェイスシフトダウンまで格闘戦を続ければ、
たとえキラが自分を見逃してもカオスに食われる。一撃離脱でこちらの損耗を狙う
カオスの電力は二機よりも余裕があるはずだった。

 ふとモニターのランプが点灯している事に気がつく。通信のサイン。

「――! カオスから通信だと?」

 デュートリオン送電システムを持つセカンドシリーズの機体にはビームを正確に
照準するためのレーザーシステムが搭載されており、赤外線レーザーを互いに
やり取りすることで秘匿通信を送ることが可能であった。

「カオスのパイロット、一体なんの用だ」

 こちらからもレーザーを送り返して通信回線を開く。カオスはセイバーより
少し上空でビルスーツ形態のまま浮かび、武装をこちらに向けていもいない。

『前置きや挨拶は省く――――俺と協力してあのムラサメを落とせ』

 顔も見せないパイロットは、そんなことを言って来た。

「何だと! そんな冗談を!」

 ムラサメの背後に捻り込みながら通信を返す。放ったビームライフルはムラサメの
左に逸れて大気に散滅した。

『大いに本気だ、別に仲良くしようってわけじゃねえ」

 カオスのパイロットは以外に若い声をしていた。

『只、俺が突撃してバランスを崩させたところにあんたが止めを刺せば良い、
それだけのことだぜ? そして仕切り直しだ、改めて俺とあんたで戦う』
「そんな、敵と協力しろというのか?」

 ムラサメが手足を振りながら回転、ベクトルを大きく変えてセイバーの方を向くと、
六門のCIWSから一斉に機銃弾を吐き出した。

『俺とあんたとムラサメ、全員敵同士。そして俺とあんたは軍人だが、ムラサメは
何処にも属して居ない――テロリストだ』


144 :45  ◆WZm3jzCkZQ :2007/01/07(日) 18:15:18 ID:???
7/

 セイバーの外観からミサイルは装備されていないと判断したのだろう。ムラサメは
贅沢に弾幕を張り、相当数が真紅の機体を捕らえる。関節や武装に直撃しない限り
損害は殆ど無いが、アスランは電力の残量を表すゲージが眼に見えて磨り減った事に
焦った。

『共通点を挙げていけば、俺たちの方が立場が近いさ。それとも――』

 機体を旋回させて距離を取る。

『――今から本気を出して、そいつを殺して落とすか? セイバーのパイロット』

 ムラサメからのビームがかすり、"アムフォルタス"ビーム砲が一基使用不能となった。

「本気で戦っているに決まっているだろう! 何を言っている」
『ごまかすなよ、あんたの技量とその機体の性能、マジで殺しにいけばムラサメを
落とせない筈が無い』

 反論しようとして、アスランは自分が今の今までキラを殺さずに撤退させる方法ばかり
考えていたことに気がついた。

「貴様、アーモリー・ワンで何をやったか忘れたのか? 戦争の引き金を引いた」

 思わず話題を逸らした。MA形態のムラサメから放たれる機首のビーム砲を躱し、
すれ違う。

『命令が無ければしない事さ、アレは好き好んで戦場に顔を出すから問題なんだろうが。
それに俺は命令を聞かなければ死ぬ身でな』


145 :45  ◆WZm3jzCkZQ :2007/01/07(日) 18:16:48 ID:???
8/

 カオスのパイロットは言葉の端に自分の正体を明かした――エクステンデッド。
アスランはヘリオポリスの事を思い出した、確かに中立のコロニーに攻め込むなど、
命令が無くては出来ないことだった。

『協力するのが嫌ならいいが、その場合俺はあんたらの試合が終わるまで此処で
待つぜ、結果がどうなるかは自分でも分かるだろ?』

 そうなれば、余力を残したカオスにキラも自分も食われることになる。
迷いを残すアスランに、カオスのパイロットは畳み掛けた。

『別に星は要らねえだろうが、止めはあんたにくれてやる。お友達を生かして
帰すにはこれしかないぜ?』

 ムラサメに適当な損害を与えて撤退させる手伝いをしようというのだ。アスランは
苦笑した、一番空戦に向かない機体でありながら主導権を得ようとしている。
それは自分たちの甘さゆえだ。

 アスランは覚悟を決めた。親友を生かす為に、本気で討つ。

「いいだろう、俺が牽制と止めを刺す。お前は隙を作れ」
『オウケイ、ザフトの赤服』

 こうして太平洋上空においてセイバーとカオス、敵味方に分かれたセカンドシリーズが
初めての連係を見せる事になった。

146 :45  ◆WZm3jzCkZQ :2007/01/07(日) 18:17:54 ID:???
9/12

 セイバーとカオスの動きが変わった。互いを牽制しあう挙動から、互いの
死角を保護する機動へ。

『アスラン? 一体何を――』

 カオスの動きを警戒しなくなったセイバーに不審を覚えて、キラが通信を
送ってくるが、もう遅い。

「キラ、お前はいい加減に下がれ!」

 セイバーは猛然とビームライフルを連射し始めた。射撃武器は効果的な
使用の為に機体を安定――減速――させなければならない。余り連続で攻撃すれば
大きな隙が生まれるため、僚機が居なければ危険な動きであった。

 今のセイバーには、それが居た。真紅の機体の後方から深緑の機体が飛び出し、
有り余る推力を以って最大加速。

『任せたぜ、赤服!』

 セイバーの攻撃の切れ目に合わせて突撃したカオスは、ビームの間隙を縫って
攻撃を仕掛けようとしていたムラサメに向かって機動兵装ポッドを放出、
二つのポッドとMA形態の本体あわせて三つの砲門から多角的にビームを発射し、
ムラサメの軌道を狭めた。

 真紅のセイバーがモビルスーツ形態でサーベルを構えて突撃する。頭部の
20mmCIWSをシールドで防御させながら接近、同じくサーベルを構えた
ムラサメの太刀筋を読むとビームの刃を振り降ろすと同時に関節をロックさせた。

 激突

 ムラサメの受け太刀と噛み合いビームのスパークを散らす。セイバーの全質量を
乗せた斬撃が一瞬受け止められたかに見えたが、凄まじい推力を組み合わせて
打ち込まれたビームサーベルを止めることが出来ずに、ムラサメの左腕が切断された。

『アスラン――!』

 コックピットにキラの絶叫が響く。と、ムラサメが全搭載ミサイルを一斉に放出した。
ミサイル群は少しずつタイミングをずらしながら噴射を開始し、セイバーに迫る。
ムラサメは自機の発射したミサイルと軌道を交差させるように加速し、MS形態で
CIWSとビームライフルを前回で連射した。


147 :45  ◆WZm3jzCkZQ :2007/01/07(日) 18:19:31 ID:???
10/12

 全弾発射、後先や残弾を考慮しない必死のマニューバはキラの奥の手なのだろう、
CIWSとミサイルの多角攻撃で死角を作りつつPS装甲を削り、自機のビームで止め。
片腕を落とされては、先程までの様な複雑で高度な機動はこなせない。

 ミサイルの2,3発は食らってでもビームを回避しようとするセイバーに、
漆黒のムラサメが近づいてくる。しかしセイバーに効果的なダメージを与える筈だった
ミサイル群は、下方から発射されたカオスのビームによって進路を阻まれ、
殆どが爆散してしまった。

「あいつ――!」

 Gに顔を歪ませながらもアスランは苦笑する、妙なところで律儀な奴だ、
此処で自分を助けなければダメージを負った双方を同時に撃墜出来る可能性だって
有ったのに。

 だが、せっかくの掩護を無駄にするわけにはいかなかった。ミサイルによる
攻撃の多様性を失ったムラサメは如何に高速であろうとも、単調な機動と攻撃を
こなす只のモビルスーツに過ぎない。

 セイバーの放つ狙い済ましたビームがムラサメの両足を貫通した。失われる
運動性、勝敗は決した。

『ク――ッ! アスラン、それでも僕たちは諦めるわけには行かないんだ』

 キラの捨て台詞と共にムラサメが分解した。否、そう見えたのは一瞬で、両腕
両足と武装をパージしたムラサメはほぼ完全な戦闘機となって離脱する。
もともとのコンセプトが戦闘機に手足をつけたものであるだけに、それを切り離した
状態での速度は流石にセイバーといえども追随出来はしない。

 飛行機雲を曳いてムラサメの離脱した戦場に、セイバーとカオスだけが残された。

『よっしゃ、上手くいった』
「それで、どうするんだ?」

 戦闘を継続するのかどうか、一応聞いてみる

『仕切り直してさあやるかと言いたいところだが、興が乗らない。
このまま戦ったところで絶対負けるしな』
「……成る程」


148 :45  ◆WZm3jzCkZQ :2007/01/07(日) 18:22:14 ID:???
11/12

 アスランはカオスの状態を見て納得した。本来背面に二つ乗っている筈の
機動兵装ポッドが片方しかない、突撃の後回収に失敗したようだ。ポッドも機体も
最大加速で突っ込んでいったから、セイバーの掩護でミサイルを打ち落とした時に
片方が手の届かない場所までいってしまったのだろう。

『それに、上司から帰れと言われたしな』
「ああ……俺もだ」

 ミネルバと連合の空母、それぞれの母艦から帰還を命ずる信号弾が打ち上げられ、
空を原色に染め上げていた。

 アスランはふと気まぐれに話しかけた。

「俺はアスラン=ザラだ。君の名前は?」

 通信機の向こうで口笛の音が聞こえた気がする。

『こんなところで伝説のパイロットにお目にかかれるとはな、ということは
あのムラサメはキラ=ヤマトか?』
「……ああ、そうだ」

 余計なことを言ったかもなとも思ったが、気にしないことにした。

『殺すべき相手には名告らない主義なんだが、偶にはいいという事にするか、
スティング=オークレーだ……忘れときな』

 そういってカオスもまた機首を巡らせて母艦へと帰還して行った。


149 :45  ◆WZm3jzCkZQ :2007/01/07(日) 18:25:11 ID:???
12/12

 一人残された戦場の空で、アスランはとある感慨にふけった。戦場には確かに
真実など転がってはいないが、時々何の采配なのか奇妙なことが起こ事は有る。

 それは親友と再会することだったり、敵と一時的とはいえ協力してその親友を
攻撃することだったりする。

 もしかしたらそんな物語の中から、和平の種が芽吹く事も有るかも知れない。

「……感傷だな」

 アスランはコックピットで静かにそう独言を零した。
それは自分の戦いが無駄ではないと信じたい気持ちがそう錯覚させるのだ。

 そう思いながらセイバーもまたミネルバへと帰っていった。

 そして静寂を取り戻した戦場の空にはそれぞれの方角へ真っ直ぐに伸びる
三本の飛行機雲だけが残された。

 それらはしばらくの間夕暮れの太陽に赤く照らし出されていたが、やがて
黄昏時になるとともに虚空へと薄れて消えた。


150 :45  ◆WZm3jzCkZQ :2007/01/07(日) 18:27:19 ID:???
 安価が全然役に立たなかった(むしろ邪魔だった)ので、
別にSSを投下しました。

 キラを乗せかえるほうがいいんだろうか?


151 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/07(日) 18:45:26 ID:???
投下乙!
映像が脳内で再生されてます。

152 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/07(日) 18:48:18 ID:???
GJ!!
オクレ兄さんにこのくらいの見せ場(?)があれば50円なんて呼ばれなかったのにっ…

> キラの捨て台詞と共にムラサメが分解した。否、そう見えたのは一瞬で、両腕
>両足と武装をパージしたムラサメはほぼ完全な戦闘機となって離脱する。
>もともとのコンセプトが戦闘機に手足をつけたものであるだけに、それを切り離した
>状態での速度は流石にセイバーといえども追随出来はしない。

ええと…主推進器って脚じゃなかったっけ?

153 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/07(日) 18:48:48 ID:???
>>150
 アンカーが何なのか解らなかったけど、SS面白かったGJ。割り込んだ
高機動・高火力のカオスと、機動性でならカオスを凌駕するセイバーの競演を
楽しみました。ムラサメに乗ったキラが気の毒なくらいにw
 キラの今後だけど、テロリストのままだったら新規機体がほいほい手に入るわけ
無いから、やっぱりムラサメで良いんじゃ?オーブ軍最新MSといっても、結構
数が揃ってたし。

154 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/07(日) 18:51:20 ID:???
ごめん>>153の割り込んだってのは、割り込んだテロリストを排除する為に
敵味方に分かれた兵士が協力するっていうのが良かった、って書き込む
はずだった。何で吹っ飛んだんだろ……

155 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/07(日) 19:48:08 ID:???
>>150
左腕のシールドが無ければ変形できないって前スレでも指摘が当っただろ
SS自体の出来はむしろ良いが何かムラサメを勘違いしてないか?
一回で良いからウィキを見に行ってくれ、それじゃムラサメに「よく似た機体」にしかならないぞ

とにかくGJ!

156 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/07(日) 19:51:10 ID:???
ムラサメの推進器はMA時には脚部に集中する
だから手足をパージするとただの鉄の塊になってしまうのです

YF-21?とか突っ込むのは禁止なんだろうな

157 :45  ◆WZm3jzCkZQ :2007/01/07(日) 20:22:42 ID:???
 しまった、機首が壊れても何とか飛べるだろうと思っていたら、
ランディングギアまで盾の中に入っていた。
 脚を捨ててしまってどうやってAAに着艦するんだろう?
 凡ミスの指摘に感謝、次は気をつけます。


158 :155:2007/01/07(日) 22:17:29 ID:???
気をつけてくれるならかまわない、とにかくGJ!
後、今までの戦闘シーン見るところ、サーベル一本でも十分だからサーベル一本でも良いんじゃないかな?

159 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/09(火) 22:24:19 ID:zTILIgLd
あげ

160 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/10(水) 01:23:08 ID:???
ザク5機くらいに囲まれて四肢切断される。

161 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/10(水) 02:36:30 ID:???
キラきゅんの速くなりすぎた反応速度にルージュがついてこれなくなってたとか後付けあったらどうしようOTZ

162 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/10(水) 02:51:11 ID:???
量子AIは先読み反応くらいはしてくれるだろ
腐ってもハチの限定操縦補正機能のコピーだぜ

163 :45  ◆WZm3jzCkZQ :2007/01/12(金) 17:12:37 ID:???
1/9

 艦橋のディスプレイに漆黒のムラサメが姿を現したとき、少なからぬ人数が悲鳴を上げた。

「キラ!」

 艦長席の横に立つ金髪の少女カガリ=ユラ=アスハがパイロットの名を呼ぶ。
 ムラサメには腕が無かった、足が無かった、機首となる筈のシールドすらなく、
主推進器を失ったムラサメは補助スラスターの推力を使ってかろうじて飛行していた。

「通信が……繋がりました」

 オペレイター席に座る少女が、震える声で艦長に告げる。艦橋のモニターに
『SOUND ONLY』の表示が映り、スピーカーから弱弱しい声が聞こえる。

『アークエンジェル……其処に……居ますか?』
「キラくん!」

 AAの艦長であるマリュー=ラミアスが悲鳴の混じる声で返事をする。

『すいません、やられ……ました。緊急ブースターで離脱して――』
「ええ、こちらで捉えたわ。着艦は出来る?」

 返答には随分と時間が掛かった。

『カメラが……ビームで殆ど焼かれていて……AAが見えません……
ここまで勘だけで……来ました』
「分かったわ、直にこちらで対処します。キラ君はそのまま飛行することに専念して」

 ムラサメとのデータリンクがかろうじて形成され、機体の情報がAAと共有された。
それを確認した士官の顔が険しくなる。

「良くこんな状態で此処までたどり着いたわ。いいこと――とにかく機体を安定させる
事だけに集中して頂戴」
『了……解です。ラミアス艦長』

 呼吸のたびにキラが発するぜいぜいと言う雑音が、ブリッジのクルーに更なる危機感を
募らせた。機体もパイロットも危険な状態に有る。


164 :45  ◆WZm3jzCkZQ :2007/01/12(金) 17:17:23 ID:???
2/9

 データリンクは機体と操縦者双方の状態を告げていた。機体は手足を破壊されたために
装備をパージし、緊急機能を使って戦場を離脱。キラはその際に激しいGに揺さぶられ、
内臓の一部を傷つけていた。操縦服の生命機能が強心剤を静注した事を示している。

「ノイマン少尉! AAをムラサメの後方に進路を取らせて」
「はッ! ……飲み込み着艦ですか?」
「そうよ、今のムラサメには着艦する能力が無いわ」

 宇宙空母が損傷したMAを格納するときのように、AAが追随してカタパルトブロックに
ムラサメを飲み込む着艦方法を、マリューは指示した。
 AAが直進するムラサメの後方から接近するにつれ、損傷したムラサメがはっきりと確認できる。
機体のところどころから噴煙を洩らしつつ飛行するムラサメの姿に、オペレイター席の少女は
何度も席を立ちそうになった。

「――キラ!」

 小さく、しかし力強く呟く声がカガリの耳にも入る。彼女も出来れば今すぐにでも格納庫に
赴き、その場でムラサメを迎え入れたかった。

「キラ――死ぬな。私は未だ平和になったオーブをお前に見せて居ない」

 しかし、何よりもキラを死地に送り込んだという責任が、そのような行動を許さなかった。
キラはカガリの代わりにムラサメを駆り、戦場で傷付いて帰ってきた。自分が只の小娘のように
キラの元へ駆けつけることは許されない。
 カガリの握り締めた手から血が滴り落ちた。血を吐く思いで艦橋に立ち止まり、
ふらふらと飛行を続けるモニターのムラサメを凝視する。オペレイターの少女、
ラクス=クラインもまた、同じ気持ちのはずだった。

「――――無理ね」

 艦長席に座るマリューはムラサメの状態を見て、飲み込み着艦であっても機体が無事に
停止することは出来ないと判断した。機首のシールドを失ったムラサメは着艦に使う
ランディングギアをも失っており、機体全体の損傷によって胴体着陸も不可能となっている。
よしんば機体がカタパルト内に格納できたとしても、コックピットブロックが潰れて仕舞う
可能性が有る。キラのかつての機体ストライクとは違い、ムラサメにはセイフティーシャッター
など付いては居ない。

「カガリさん!」

 マリューが横に立ち尽くすカガリに向かった。

「ムラサメを受け止める腕が必要だわ。ルージュを出して!」

 カガリは返事を為る間も無く、艦橋を駆け出した。


165 :45  ◆WZm3jzCkZQ :2007/01/12(金) 17:20:27 ID:???
3/9

 AAの右舷側カタパルトデッキでストライクルージュの操縦席に収まったカガリは、
艦橋からくるラクスの通信を受ける。

『いいですか? カガリさん、ムラサメのフレームデータを送ります。なるべくコックピットに
近い部分を、優しく掴んで下さい』

 ルージュの前面ディスプレイに、型枠だけで構成されたムラサメの図が映る。データリンクと
連動されたムラサメはダメージを受けた部位を赤く染められていた。

「ああ、わかった。まかせてくれ」
『ムラサメをデッキに入れると失速してしまいますので、外部――カタパルトブロックの上で
機体を受け止めてあげて下さい。……お頼みしますわ』

 オペレイターの役を負っているラクスが、マリューの指示を丁寧に伝達した。

『それでは、ストライクルージュ、発進どうぞ』
「カガリ=ユラ=アスハ、ルージュ――出る!」

 機体背面に背負ったフライトユニットを展開して飛翔する準備を整えると、
カタパルトが電磁力で数十トンの機体を弾く様に送り出した。通常戦闘の時よりはかなり緩やかな
加速度がカガリの体を包み、ルージュがAAの機外へ放り出される。
スラスターを吹かしてふわりと上昇すると、カタパルトの上の平たいスペースに乗った。

「所定の位置に着いた。ムラサメもこちらで確認している」
『ルージュのカメラでしっかりとムラサメを捉えておいて下さい。相対位置をAAで合わせます』

 AAの電子頭脳がカガリの乗るルージュを一個の部品として認識し、ムラサメと接触させるために
少しずつ速度を合わせながら接近して行く。AAの航法プログラムとノイマンの操舵が、
凄まじく困難なランデブーを成功させようとしていた。

 しかし

「――ッ! 無理だ! ムラサメがぶれ過ぎて上手く掴めない!」

 あれが風に乗るように自在に宙を舞うムラサメの姿か。カガリが幻を見ているのではないかと
心配になるほどに、半壊したエンジンで飛行するムラサメは不安定な状態だった。
一時たりとも機動を安定させることが無い。


166 :45  ◆WZm3jzCkZQ :2007/01/12(金) 17:22:48 ID:???
4/9

『キラ君! 聞こえる? ムラサメの推力が安定していないから、こちらで受け止める事は
不可能よ。数秒だけでも、機体を安定させられないの?』

 ゆれるムラサメのコックピットで、キラは遠くにマリューの声を聞いたような気がした。
何事かを答えようとして、喉に何かが押し込まれているような感触を覚える。無理矢理
声を出そうとすると、喉から血塊があふれてヘルメットの内側を赤く染めた。
 首筋にチクリと痛みが走り、意識が急激に覚醒する。パイロットスーツの救命機構が
強心剤を投与した、血圧が上昇して脳に血流が戻る。
 ヘルメットのバイザーを開きながら、キラはマリューの声に答えた。

「……揺れてるんですか? ……分かりません」
『キラ君、しっかりしなさい! 貴方を受け止めるのにムラサメを安定させて、
このままじゃカガリさんが受け止められないわ』

 安定していない、そんなことが如何でもいい事のように感じる。別に受け止めなくても、
真っ直ぐAAに入れば良いじゃないか。そんなに慌てる事はないですよ、ラミアス艦長。
 とにかく目を瞑ろう、ひと眠りすればムラサメを安定させるような、いい方法が浮かぶ。
なんなら自分でOSを調整しても良いし。プログラミングには自信があるんだ。
 なんだか喉元のあたりが生ぬるいもので濡れているのが気に障ったが、座りなれた
ムラサメのパイロットシートは実は居眠りするのにも丁度良いんだ。他の人はきっと
知らない事だろうけれど。

『キラ君!』

 マリューの声が、再び遠ざかって行った。


167 :45  ◆WZm3jzCkZQ :2007/01/12(金) 17:28:57 ID:???
5/9

「キラ君! 返事を為なさい、キラ君!」

 ムラサメに向かって呼びかけるマリューに、答えを返す者は居なかった。

「ノイマン! こちらでムラサメをコントロールできる? エンジンさえ安定できれば――」
「無理です、戦闘中のムラサメは完全に自立しています。よしんば出来たとしても、
あの状態では機体を安定させることすら――」
『こちらルージュだ。一体どうなっている? キラは何を為ているんだ?』

 業を煮やしたカガリから、艦橋に連絡が入る。ラクスが簡単に状況を説明した。
懸命に冷静な声を保とうとしているが、どうしても震えが混じって仕舞う。
 データリンクが送ってくるパイロットの状況は危険域に入っていた。既にムラサメが
行動不能に陥るのが早いか、キラが絶命するのが早いかというレベルである。

「このままでは、ムラサメが落ちて仕舞う!」

 艦長たるマリューが、口にしてはいけない事を洩らした。
 このままでは落ちて仕舞う、その言葉を聴いた瞬間、カガリとラクスの脳内に
電撃が走った。殆ど同時に叫ぶ。

『落とせばいいんだ!』「落としてよいのです!」

 それを聞いたマリューとノイマンの顔に、理解の表情が浮かぶ。


168 :45  ◆WZm3jzCkZQ :2007/01/12(金) 17:32:20 ID:???
6/9

『エンジンが動いているから出力が安定しないんだ!』
「キラがスラスターを停止させて下されば――」
「ゼロでも推力は安定する、ということね――チャンドラ! ノイマン!」

 艦長席から電子と操舵、二つの任を負う男たちへ檄が飛ぶ。

「計算終了! いつでもいけますぜ」
「了解しました、任せてください」

 撃てば響くとはこのことか、AAは推力を切ったムラサメと同時に落下しながら、
損傷した機体を収容することを決意する。
 後はムラサメが艦橋の指示どうりに落下を始められるかに掛かっている。

「キラ君、こちらの声が聞こえる? 返事を為て頂戴」

 スピーカーからは、喘鳴の混じった呼吸音だけが聞こえた。パイロットの状態は
意識をほぼ喪失、データリンクが正確ではあっても非常な情報を伝えてくる。
 そのとき、オペレイター席に座るラクスが、よく通る声で一方的に通信を始めた。

「キラ……私の声が聞こえますか?」


169 :45  ◆WZm3jzCkZQ :2007/01/12(金) 17:35:57 ID:???
7/9

 ――キラ……私の声が聞こえますか?
 うん、よく聞こえるけど、とりあえず今は眠たいんだ。君は知らないだろうけどさ、
本当はモビルスーツに乗って戦争なんかしたくないんだよね。

 ――聞こえていれば良いのです。返事を為なくても良いのです。
 それは有り難いや、なんだか喉が詰まっているみたいで、ラクスがそんな遠くから
話しかけてきているのに、声が届く自信がないんだ。

 ――つらいでしょう、苦しいでしょう。
 いいや、そんなことは無いよ。只酷くだるくて体が動かないかな。

 ――それでも、あと少しだけで、後は私たちが何とかします。
 うん、それはいい案だね。でもあと少しだなんていっておいて、本当はものすごい
重労働させる気なんだろう? 何時ものことさ。

 ――キラ、右腕を上げて下さいな。スティックの脇ですわ。
 ほら、やっぱり今の僕にはとんでもなくきついことをさせようとする。いや、するけどね。
……腕は何処にあったっけ? これか……はい、上げたよ、何かに当たったな。

 ――右手がカバーに触れましたでしょう?
 だからさ、パイロットって言うのは手袋してるから、あんまり感触は分かんないんだって、
でも確かに何かに触れている気はするな……ああ、こっちは左腕だった。

 ――それを外して下さいな。
 まだ何かさせる心算かい? いい加減だるく……やるよ、やるからそんな顔でじろじろ
見つめないでくれ。……また声が遠くなったね。……眠たい。

 ――キラ! しっかりしないか!
 カガリか、君は兄妹だか姉弟だかはっきりしないのにいつもお姉さん面して。
……うん、起きたよ。多分。

 ――私が合図しましたら、右手のスイッチを押して下さいね。
 あ、直じゃないんだ。何時まで待たせる心算なんだ? やっぱりあと少しが長いんだから。

 ――3。
 さん。

 ――2。
 にい。

 ――1。……今ですわ、押して下さい。
 いち。……ってもうか――はい、押したよ。


170 :45  ◆WZm3jzCkZQ :2007/01/12(金) 17:40:51 ID:???
8/9

 ラクスの合図と同時に、ノイマンはAAの舵を押し下げた。AAが高度を下げ始めるのと時を
同じくしてムラサメがスラスターを停止させ、殆ど自由落下の勢いで共に高度を下げて行く。
 AAクルーの全員が、重力から解放されたことを感じた。機首を引き起こす高度まで数十秒。
それまでに機体を回収できなければ、推力を失ったムラサメは地面に激突することとなる。

「後35秒……ノイマン、落ち着いてね」

 マリューが艦長としての責任を感じるのか、そう言って注意する。だったら黙っていてください
と言う余裕すらないノイマンは、AAの航法コンピューターとお互いに補正を噛ませ合いながら、
精妙な操作で舵を切って巨大な船体をムラサメに接近させた。
 AAの右舷にアンカーで機体を安定させたカガリは近づいてくる漆黒の戦闘機を見つめていた。
緊張のあまり目に入る汗を拭う事すら忘れて、コントロールスティックを握る手に力を込める。

『カガリさん、これから最終接近を行います』

 ラクスの声が聞こえてきた。歌手をやっていただけに良く通る声が、少しだけ安心させる。

『そちらからはムラサメが船体に当たる様に見えるそうですわ。ですが、船体表面の気流に
乗って、一瞬浮かび上がるように速度を落とすそうです』

 その瞬間を狙えということか。カガリは前面ディスプレイの中で型枠状に簡略化されて
表示されるムラサメを見やる。コックピットブロックを丁寧に掴まなければならない。
 軽い震動がカガリの体にも感じられて、AAの船体がゆっくりと近づいた。ムラサメが
右舷の艦首に衝突しそうになり、カガリは悲鳴を飲み込む。
 接近――ムラサメの機体がAAに触れようかという瞬間、船体を駆け上がる空気の流れに
持ち上げられて、戦闘機がルージュの前に流れてきた。

「――キラ――!」

 スティックを操作。コントロール。OSの補正。伸びるルージュの腕、流れる機体。
 息を呑む一瞬の後、真紅の機体は漆黒の機体を、その胴体を確実に保持していた。
 通信機越しに艦橋から挙がる歓声が聞こえる。

『良くやったわ。ノイマン、船体の引き起こしは頼んだわ。
カガリさん、慎重にデッキまで運んであげて』

 ストライクルージュは、パイロットの性格に似合わない繊細さでスラスターを吹かした。


171 :45  ◆WZm3jzCkZQ :2007/01/12(金) 17:44:59 ID:???
9/9

 なんだかとても煩いな、そう思って目を開けると泣きそうな顔のラクスとカガリの
顔が目に映った。姉は自分の名前を連呼しているし、ラクスは何故だか謝り続けている。

「キラ……御免なさい、貴方を戦場に送り込んで」

 ラクスの涙が胸元をはだけたパイロットスーツに落ちた。文句の一つも言ってやろうかと
思ったが、何時に無く慌てているラクスの様子が可笑しくて、少しだけ微笑んだ。

 ――君の声が聞こえたよ、ラクス。カガリの怒鳴り声も。

 そう言おうとして、キラは喉に何かが詰まっているのを感じた。
これはそうだ、キラは朦朧とする頭で考える。名前は忘れたけれど、
呼吸を助けるために喉に入れる管だ、自分は相当弱っているらしい。

 ――有り難う。

 その言葉すら口に出来ないので、代わりに左手の親指を立てた。
ラクスが涙を零しながらその手を握る。

「良いのです。キラ、貴方は暫く休んでも良いのです」

 ああ、ということは今時分が寝ているのは担架で、これから寝ることになるのは医療室の
ベッドか、少し残念だ。君らは知らないだろうけれど、ムラサメの操縦席はとても座り心地が
良いんだ、ふわふわしていて落ち着く。戦争の道具だけれど其処だけは褒められても良い。
前にこっそりマリューさんの艦長席に座ってみたけれど、それよりも気持ちよかったんだ。

 ――だから、僕はまたムラサメに乗って戦えるよ。

 そんなことを考えながら、キラの意識は深い闇に沈んでいった。

172 :45  ◆WZm3jzCkZQ :2007/01/12(金) 17:53:47 ID:???
これを貼り忘れてました。

  ムラサメに乗ったキラで、AAに着艦しようと思います。

 武装は以下の通り
CIWS×6        弾切れ   
機首の高エネルギービーム砲 折れた
"イカズチ"ビームライフル  落ちた
"ハヤテ"空対空ミサイル×4 撃ち尽くした
ビームサーベル×1     投げた
シールド          壊れた
 OS改造済み          
 バッテリー駆動
 相手はセイバーとカオスだった。
 AAに損傷なし
 それではSS投下開始。

 感想、指摘、シチュエイションのリクエストがありましたらどうぞ。

173 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/12(金) 18:30:23 ID:???
戦闘じゃないが格好良かったGJ! やっぱり緊張感のあるシーンは良いなあ。
俺には真似できないよ。本編でもこれくらいピンチになりつつも干渉を止めない
と、ある種の必死さが伝わって良かったろうに……。
とにかく楽しませて貰いました。

リクエストか。ベルリンを襲うデストロイのシーンを……って、これは流石に
荷が重過ぎるかねw

174 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/12(金) 19:16:46 ID:???
ベイルアウトは危険なんだろうかね?

175 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/12(金) 19:55:50 ID:???
GJ!さすが本物のキラは一味ちがうぜ!

176 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/12(金) 20:07:54 ID:???
人間味あって、いいキラだな。
このスレ見て、連ザ2でキラをトラサメに乗せてみた。エキサイトしたよ。

177 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/12(金) 21:32:49 ID:???
………ええ話やった。本当に良かった。

178 :45  ◆WZm3jzCkZQ :2007/01/12(金) 22:26:29 ID:???
 皆さん感想有り難うございます。励みになります。
 >>173 やっぱり来ましたか、幾ら何でもあの怪物はムラサメには
荷が重過ぎると思います。




そしてそれ故に把握、しばらくお待ちください。


179 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/13(土) 03:25:02 ID:???
>>178
おいおい、さすがに無茶すぎだろう。
何もできずに撃墜されるのが目に浮かぶぞ。
せめてもう少しいい機体の方がいいんじゃないか?
原則から外れてしまうが。

180 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/13(土) 11:55:00 ID:???
>>179
フォースインパルスでもそれなりにやってたんだし何とかなるだろ
デストロイをシンに任せてまかせてステラ無事 みたいな
そういうのでいんじゃね?

181 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/13(土) 13:00:07 ID:???
「ステラ!俺が分からないのか!?……もう、駄目なのかよ……ッ」

ステラを助けたかった。だが、それ以上に何の罪も無い街の人間をこれ以上犠牲にするわけにはいかなかった。
軍人として、そしてかつて戦火によって大切なものを失った人間として
誰かにあの悲しみを味わせない為にも『あれ』は落さければならない。
だが、『あれ』にはステラが乗せられている。俺は大切な人を守りたくて軍人になったのに、何故こんな事になったのか。
ジレンマがシンを襲う。実際の時間は一秒にも満たなかっただろう。しかし、その僅かな時間は致命的なものだった。

『戦闘中におしゃべりとは余裕だな!』

カオスのライフルがインパルスをロックオンする。ステラに気を取られていたシンは反応が遅れ、回避が間に合わない。

――やられるのか、俺は。こんな所で……!?

己の最期を思い浮かべるシン。だが、ビームがインパルスに届く事は無かった。
インパルスを貫くはずの閃光は凄まじい速度で割り込んできたムラサメのシールドに受け止められていたのだ。
すかさず弾幕を張る事でカオスを退けるムラサメ。
敵であるはずの自分を守った。しかも今度は援護しようとしているようにも見える。
目まぐるしく変わる状況にシンは混乱しかけいた。思わず叫んでしまう。

「お前……なんで!?」
『それには君の護りたい人が乗せられているんだろう!助けられる望みがある限りは諦めちゃ駄目だ!』


デストロイ戦はお付のMSは僕が引き受けた!でいいんじゃないかな。
こんな感じで共闘フラグ立てて、サポートに回るのもたまには良いかと。


182 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/14(日) 06:49:15 ID:???
主人公だからって無理にデストロイ落とすことはないわな。
こういう方が主役を経験した先輩キャラとして格好いいし、シンとの和解フラグにもなりそうだ。
シン視点な事以外はGJすぎる。YOUこのまま職人になってくれYO!

183 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/14(日) 10:29:37 ID:???
それでエンジェルダウン作戦でぶつかり合う訳だな
シンが苦しみながら「アンタは俺が撃つんだ・・・今日、ここで!!!」
といいながら終わった後に号泣
つー様な展開になる訳か

184 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/14(日) 10:56:48 ID:???
いい意味でキラもシンも苦難続きな話になりそうだなあ

185 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/14(日) 12:10:03 ID:???
逆境とは
思うようにならない境遇や不運な境遇のことをいうので仕方がありません

そしてそれは、男の成長に必要不可欠な要素なのです

186 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/14(日) 12:40:18 ID:???
 ふと思ったのですが、TVのキラって逆境が前半に固まりすぎてたせいで心のバランスが変になったような
平和に生きてたらコロニーが攻撃されて、シェルターに避難しようとしたら幼馴染とMSの前で再会、
何故かMSに乗る事になるし、助けた女性には銃を突きつけられるし、戦ったらコロニー崩壊するし、
ポットを回収したら食料が足りなくなって墓荒しすることになって歌姫拾うし、その歌姫が幼馴染の婚約者だったので返品して、
軽い気持ちで助けると言ったら船もシャトルも沈んで自分は大気圏突入するし、あ、ついでにアルテミスも沈んだ。

 何か、地上に降りるまでよく生きてたなーキラ、この後地上で幼馴染の自爆で果てるまでよく気力が持ったものです(その後に壊れましたが)

187 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/14(日) 13:22:22 ID:???
>>186
――待て、ちょっと待て

まさか T  V   版   の   ア    レ     程度で逆境とか言う気は無いよね?

逆境とか、スタゲ第一話とか、種でいうとエイプリールフールクライシスとか
もしくは第一話から父母妹吹っ飛ばされるクラスのがCEで言う最低限レベルの逆境だよ?
もしくは離翼的に最前線の町で生身で逃げ回るとか。ストライクで避難民を誤って踏み潰しちゃうとか。
あるいは、フレイの方から別れ話を切り出されて捨てられたと思い込んで勝手に絶望したりとか、
そー言うのが逆境だッ!!

っつーかぁ、ロボットアニメ主人公の癖に
ちょいと周りと上手くいかねー程度の事で戦争とか関係なく壊れそうとか言ってんじゃねーよと言う話ー!!
覚悟はどうした覚悟は!! 戦争の現実見てねーのか!! 生身で戦場歩き回ってからどうこう言って下さいよーー!!!

188 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/14(日) 13:39:07 ID:???
>>186
まさに、男としてあこがれる極上の逆境の前段階ですな
逆境ナインとかで言うと、ここまでやってようやく「 ――― 廃 部 だ ッ ! ! ! 」の段階
これからドデカイ逆境とか苦境とか慢心とか乗り越えて男を磨いていけばいいさっ!!!!





>>187
とりあえず、落ち着け
アレはアレでキラもうMSでの対人殺しに対して色々磨耗しすぎですよ、キラさんアナタまるで軍人みたいじゃないですか?<どう見ても大西洋連邦軍人(少尉)です
それ以外はむしろ原作以上に主人公でなおかつ戦友を大事にしてラクスを目の前にしても連合を裏切らない大西洋連邦軍人キラ=ヤマトなのが凄く、、、


原作がこうでないのが悲しいです、、、、、、

189 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/14(日) 14:14:16 ID:???
結局結論は負債が悪いって事で良いでしょ
そのくらいにしよう

190 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/14(日) 15:40:09 ID:???
>>187
 すまぬ、言い方が悪かったキラの逆境の連鎖がそこで止まってて、種死の終了時まで見ても、
クルーゼに言い負かされる(反論できずにヤっちゃう)、平和に(逃げて)暮らしてたらマルキオハウスに襲撃される、
シンに撃墜される。
 この3つしか逆境イベントがないので、前半に固まってるといったとです。

>>188
 うん、確かに漢としてあこがれる修羅道or英雄への道ですね、踏み外してますけど OTZ
いえ、ここのキラとかみたいに種の前半のまま育ってくれればもっと真っ当な主人公に
成ったのに、惜しいなと、せめて前半のイベントを後半にもってくるか、後半がもっと苛烈になったらなーと、
>>187とか>>188さんがいってた逆境とか。


191 :45  ◆WZm3jzCkZQ :2007/01/14(日) 20:02:29 ID:???
 ムラサメに乗ったキラで、何とかしようと思います。

 武装は以下の通り
CIWS×6
機首の高エネルギービーム砲
"イカズチ"ビームライフル
"ハヤテ"空対空ミサイル×4
ビームサーベル×1
シールド
 OS改造済み
 バッテリー駆動

 相手はフル装備デストロイ、パイロットはステラ

 戦場はベルリン、時間は昼、互いに損傷なしでスタート

 それではSS投下開始。

 少し長くなったので、前後編に分割して投下して参ります。


192 :45  ◆WZm3jzCkZQ :2007/01/14(日) 20:05:47 ID:???
1/

 漆黒のムラサメが、焼き尽くされたベルリンの空を駆けて行く。市街中心部のカント通りを
路面に掠ろうかという超低空で亜音速の機体が飛んでいった。
 パイロットシートに収まりコントロールスティックを握るキラは、最早ソレの位置を知るのに
ナビゲーションなど必要なかった。ただ、ベルリンの街を引き裂いた破壊痕をたどるだけで、
その巨体を発見できる。

「たった一機で、こんな事を!」

 キラは前面ディスプレイの中に映るソレをにらみつけた。思わず距離感を疑い程巨大で凶暴な影。
一般的なモビルスーツの倍はあろうかというサイズの巨大モビルアーマーが、火の海と化した
ベルリンの中心、動物園があった筈の場所に悠然と立っている。

「なんて、憎悪の塊なんだ。見ているだけで心がざわつく」

 かつてベルリンの壁があった場所をなぞるように巨大な爪跡が市街の縦横を走り、
最新の高層建築も歴史に残る建築物も皆平等に更地へと変えられていた。
 凄まじい破壊の痕跡に、キラの背筋に冷たいものが走る。
 通りを抜けて、ムラサメを隠す遮蔽物が無くなった。破壊者の視界に晒される戦闘機――

「――! 来る!」

 MAの上部に位置する円盤状の部分から、狂気の如くビームが迸った。ムラサメを狙う
だとかそういった撃ち方ではない。戦場全てを灰と化してでも敵を殲滅する、そのために
この機体はあるのだった。

 ――たった一機で戦争をしている。

 ビームの嵐を必死の機動で回避しながら、キラは漠然とながらこの機体のコンセプトを理解した。
1撃たれれば200を撃ち返す、反撃不可能な攻撃力、戦闘するということが破滅をもたらすことに
直結する。まるで核のような考え方。最悪の抑止力。
 ムラサメのレイダーにはザフトの機影は既に映っていない。一個大隊級の戦力は、ベルリンの
街ごと灰燼に帰していた。MAの周囲には数機程のウィンダムと、カオスが直掩として
確認されるのみであった。


193 :45  ◆WZm3jzCkZQ :2007/01/14(日) 20:10:23 ID:???
2/

 キラは気付く、援護するべき連合の機体ですらあのMAの近くには寄ろうとしない。
そしてそれゆえに、巨体の近くでビームの雨を躱し続けるムラサメにはライフルの一撃すら届いていない。

「――味方まで恐れているのか」

 おそらくあのMAは敵味方の区別など殆どしていないのだ。殆ど自動的に近づく者に
攻撃を送り込むようになっている。――生体CPU。不吉な単語が頭に浮かぶ。
 円盤からのビームだけではムラサメを落とすには数が足りないとでも思ったのだろうか、
MAはそれだけでモビルスーツと同じぐらいのサイズがありそうな部品を切り離した、二つ。
それらは陽電子リフレクター特有の光を纏いながらムラサメの眼前に迫った。

「――ドラグーンか!」

 牽制の為に放ったビームライフルの火線をあっさりと弾かれ、キラはスティックを傾けた。
寸前までムラサメのあった位置を、二体の機動兵装ビットから五本ずつ計十本のビームが薙ぐ。
 キラのパイロットとしての本能が、全力で危機を告げた。MAが円盤に装着されている
二連二門計四門の巨大なビーム砲を、こちらに向けている。
 まさか、まさか、まさか! 自分の目と相手パイロットの正気を疑いながら、ムラサメを
最大加速させる。自分の絶叫を聞きつつ機体を半壊した建物の影に突入させ、視界から逃れた瞬間に制動、
逆噴射――血液が下半身に移動し、ブラックアウトを起こしかける――地面ぎりぎりに降下した瞬間――

 戦艦主砲並みのビームが、ムラサメの前方を薙ぎ払った。

 二十階建てのビルなど何の盾にもならず、高速高熱の荷電粒子は建築物を蒸発させながら
貫通し、ベルリンに新たな溝を穿った。
 キラは戦慄する。この機体にはMSを撃破するにはこれだけの攻撃力が在ればいい、と言う発想が無い。
戦艦を相手にして余りある主砲をMSに向ける等、全力の攻撃を周囲の被害など考えずに打ち込んでくる。

「やっぱり、ここで撃破するしかない!」

 ビルが蒸発した熱風を翼に受けて上昇しながら、キラは決断した。


194 :45  ◆WZm3jzCkZQ :2007/01/14(日) 20:14:55 ID:???
3/

 キラは当初、このMAをベルリンで撃破する必要はないと考えていた。それはAAクルーの
総意でもあった。余りにも巨大な機体は数時間以上の稼働時間を持つ筈が無く、整備再出撃にも
時間が掛かる。撤退するまでかく乱し続け、その後で追跡――再度出撃し母艦ごと戦闘不能に
する。それが作戦計画――プランAであった。
 しかしこの機体はもとから撤退のことなど考えていないようにも見えるほど、後先を考えない
動きをしていた。ひょっとすれば、機体が挌坐するまで行動させても回収する手段が
或のかもしれない。
 たったの数時間であってもベルリンと駐留していた部隊は壊滅した。次の数時間でどれほどの
破壊を生み出すことが出来るのか。少なくともキラは、此処でMAを戦闘不能に追い込まなければ
――プランBに移行しなければ――ならなかった。
 郊外におびき寄せることなど出来ない。パイロットは悠然とキラを無視して、次の目標を
更地にするだろう。

『私は結果だよ。だから知る! 自ら育てた闇に喰われて人は滅ぶとな!』

 忌まわしき想像と幻聴を振り解いてキラはスロットルを開いた。それでも、人はもっと強い生き物だ。

「あんなものに滅ぼされてたまるか!」

 集中して機体を操作する。一撃一撃の狙いはさして正確ではないMAであったが、その砲門の数は
一個中隊の規模を超える。それに加えて切り離される機動砲台による多角攻撃、キラのムラサメは
少しずつ追い詰められていった。

「――クッ! 数が多い!」

 まるで数十機のモビルスーツを同時に相手に為ているような感覚に陥る。それでも、キラは
ムラサメに格納されたミサイルでの攻撃を成功させなければならなかった。ある意図を持って。
 MAの周囲を旋回するように飛行しながら隙を探す。ミサイルを迎撃されないためにも有る程度の
距離まで接近する必要があった。時々姿勢が安定するたびに注意をこちらに向けるためライフルを
放つが、機体を覆うバリアーと分厚い装甲に阻まれて全く有効打には至らない。
 再び浮遊砲台の銃口がムラサメに向いた。十条の火線を回避したキラに、上空から降下した
ウィンダムのビームライフルが襲い掛かる。これまでに幾度と無く交戦した機体。

『――キラ!』

 マニューバに余裕が無くなったムラサメを屠ろうと構えられた銃口の照準が逸れた。キラに向かって
構えるウィンダムを牽制するように二本の火線が走り、次いで真紅と白亜の機体が姿を表す。

「――アスラン!」

 ベルリン部隊の救援に駆けつけたミネルバ隊がムラサメと共に巨大MAに向かい合った。


195 :45  ◆WZm3jzCkZQ :2007/01/14(日) 20:18:50 ID:???
4/

『これは何なんですか! アスラン』
「見れば分かるだろう、全てあのMAがやったことだ」

 インパルスから通信を送ってくるシンにそう返事しながら、アスランは敵MAの戦力を測った。
あの巨体と付属した武装でこれだけの破壊を成し続ける、間違いなく核駆動の機体。

「ミネルバ、下がれ! 敵MAの視界に入ればそちらが危険だ」

 後方で掩護砲撃を行おうとしている母艦を下がらせる。アスランはAAもこの戦場に姿を
表していないことに気付いていた。キラもまた母艦を直接狙われることに思い至ったのだろう。

『アスラン、あのムラサメはもしかして』
「……少なくとも、今は味方だ。この戦いだけは、一緒にあのMAを破壊する」

 ムラサメがMAの同類なのではないかという邪推を一蹴する。キラは何をしでかすか分からない
奴ではあるが、あんな化け物と手を組むことなどは流石に無い。

『アスラン! 有り難う。あの機体は離れるほど危険だ、近づけば砲塔は小回りが利かないし、
掩護のウィンダムも手が出せない』
「キラか、お前は何でここに居るんだ?」

 こんな事を聞いている場合ではない。そう思いつつもアスランは思わず聞いてしまった。
敵のカオスと一緒にムラサメを撃退してしまった記憶が蘇る。そのときに共闘したカオスの
スティング=オークレーはいまMAの背後で直掩に回っている。アスランは運命の
数奇さと言うものを味わっていた。
 牽制によってウィンダムが距離をとった。MAがこちらに向き直る。

 返事を聞いている暇など無かった。


196 :45  ◆WZm3jzCkZQ :2007/01/14(日) 20:22:42 ID:???
5/

 真紅とトリコロールの機体を視野に収めたMAが、驟雨の如くミサイルを発射してきた。

『なんだってええ!』
「――正気か!?」

 CIWSを全開にしてミサイルを撃ち落した。1機体を逸れたミサイルの爆裂が瓦礫を
砂礫に、廃墟を更地へと変えて行く。攻撃を回避し続ける三機に、20門の複合砲から一斉に
熱プラズマが放たれた。

「キラ! あの機体はどのくらい撃ち続けている!?」

 Gに顔を歪ませながらもアスランは問う。直に返答が返って来た。

『僕が此処に付いてからずっとだ! 多分その前も――』
「動力は分かるか! ジェネレイターは何処に付いている?」

 ぞわりとした悪寒が背筋を駆け抜けた。何かに狙われている。

『間違いなく核駆動だ! 然も全身に複数!』

 返事をするムラサメとセイバーとを切り離された砲台が向いている。「シン!」。アスランが叫ぶ。
五本の熱線を回避しながらセイバーはムラサメを狙う砲台を撃った。インパルスはセイバーを狙う
物を撃つ。ビームは砲台それぞれが纏うリフレクターにはじかれたが、その僅かな反動が
ビームの射線を逸らした。三機は建物の影を回りこみながら、MAへ接近しようとする。

「キラ、お前はどうやってあんなものを沈めようとしていた? 戦艦の主砲でも持ってこなければ
落とせないぞ」

 キラの返答、その直前にMAが主砲を発射した。濃密な荷電粒子の流れが通信を阻害してしまう。
アスランに聞こえたのは単語が二つ『ミサイル』そして『支援機』。アスランの頭脳が作戦を捉えた。

「シン! ムラサメを援護する。こっちに目を向けさせろ!」
『えええっ! ムラサメに何が出来るって言うんです?』
「説明する時間が無い! ムラサメは特殊弾頭のミサイルを使う心算だ。それを援護する」

 とにかくその作戦をやり遂げるには、キラの駆るムラサメをMAの上空に向かわせねばならない。
ミサイルを敵MAの上部に命中させることが必要だった。どこかの副長のような声を出すシンに、
いちいち説明する手間は惜しかった。


197 :45  ◆WZm3jzCkZQ :2007/01/14(日) 20:25:58 ID:???
6/7

 ベルリン上空、破壊を続けるMAの遥か頭上で三機のムラサメが編隊を組んで旋回していた。

『イケヤ大尉、やはり我々も下で戦闘に参加した方が良いのでは……キラ少尉だけに任せていては――』

 血気盛んで気持ちの逸るニシザワ中尉の言葉は編隊長であるイケヤの本心でも有ったが、
それゆえにあえて跳ね除けなければならなかった。

「我等の役目は、此処を死守する事だ」

 眼下で台風の如くビームとミサイルを乱射するMAと、その周囲を旋回しながらミサイルを
発射する機会を伺うムラサメの姿がズームで確認できる。

『しかし――』
「だからたとえこの場にあの化け物が上昇してきたとしても、我等は此処を動いてはならない。
ザフトが来ようともな。キラ少尉とそう条件は変わらんよ」

 直接戦闘に参加できない事を悔しく感じているニシザワを理屈で黙らせた。

『……ミネルバ、接近……』

 普段どおりの寡黙を保ちながら、ゴウ中尉がそれだけを告げる。イケヤはミネルバから艦載機が発進した
事を確認する。二機。一機はセイバーと呼ばれる戦闘機であったが、もう一機は――

『あれは――インパルス! イケヤ大尉!』
「落ち着け、ニシザワ。今回に限ってはインパルスは味方だ。……それにあれは戦争中の事なのだ。
恨みと憎しみを持って戦うことは、カガリ様の忌み嫌われることぞ」

 かつて自分たちの母艦を両断したモビルスーツの反応を目にして、イケヤもまた平静ではいられなかったが、
部下が余計に取り乱したことが帰って冷静さを取り戻させた。直に軍人としての本能が作戦への集中を得る。

『……キラ少尉のムラサメと共闘するようです……』

 ゴウが冷静に状況を伝える。
 イケヤはMAの周囲を共に旋回するムラサメとセイバーの識別マークを奇妙な感慨と共に見ていた。
 かつてキラの乗るムラサメはセイバーとカオスに大きな損害を受け、瀕死の状態でAAに
着艦していた。そのセイバーといまは共闘している。

「セイバーと共に戦うというのだ、キラ少尉は。見ろニシザワ、我等がインパルスに敵意を抱いている
場合では無い……タケミカヅチを忘れることでもないがな」


198 :45  ◆WZm3jzCkZQ :2007/01/14(日) 20:28:53 ID:???
7/7

「キラ、聞こえているな? 俺とインパルスで左右から回り込む、セイバーの後方に付け!
――いくぞ、シン」
『――はい!』

 三機はほぼ同時に建物の影から飛び出し、MAの周囲を旋回する軌道を取った。MA上部の円盤から
インパルスとセイバー、ムラサメに追いすがるように熱プラズマ砲が発射される。
三機は軌道を上下左右、複雑に揺さぶりながら熱線を躱し、そのままMAの巨体を一周する。

「――今だ!」

 インパルスとセイバーの軌道が交差する直前、アスランの合図が走り、ムラサメだけがMS形態から
戦闘機形態に変形しつつ急上昇した。MAの射線は正面から交差するインパルスとセイバーの機影を
追って、ムラサメへの対処が一瞬遅れる。
 漆黒の機体が、熱線を主翼に掠めさせながらもMAの上部に躍り出た。
 ミサイル発射管を開き、弾頭を換装したミサイルを全弾発射する。MAに迫るミサイル。
円盤から発射されるAMM、しかし問題は無い。
 ミサイルは直撃を狙ったものではなく――そんなことを為ても、堅牢な装甲の前には無意味以外の
何物でもない――近接信管によって炸裂。

 MAの巨体、その円盤部分の殆どが街を焼く炎の中でもはっきりと分かるほどに赤く染まった。

『――え?』

 呆けた様なシンの声がセイバーのコックピットに響く。

「いや、あれで良いんだ」

 セイバーにもインパルスにも少なからずプラズマによる損傷が有ったが、アスランは落ち着いて
ミネルバへの通信回線を開いた。

199 :45  ◆WZm3jzCkZQ :2007/01/14(日) 20:30:58 ID:???
以上、前編終了。アイキャッチ入ります。後編はもうしばらくお待ちを。


200 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/14(日) 20:42:01 ID:???
GJGJGJ!
キラとアスランのやり取りや戦闘シーンは最高
ちなみにオーブの階級は大中少ではなく一、二、三じゃないか?
キラのことはキラ様かヤマト三尉のほうが良いかもしれん
とにかく乙!

201 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/14(日) 21:26:53 ID:???
GJ!!!
てか、イケヤさんかっこええ・・・。


202 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/14(日) 22:55:57 ID:???
投下乙です

 圧倒的ではないかデストロイはっ!!
 と、言いたくなるような描写ですね、後半楽しみにしてます。

203 :45  ◆WZm3jzCkZQ :2007/01/15(月) 17:23:11 ID:???
8/

 モニターの中で、ムラサメがミサイルを発射したということを示すマークが灯った。

『……マーキング、成功……』
「よし、AAに座標データを送信しろ! 母艦からの攻撃が成功するまでは、なんとしても
回線を維持し続けるんだ!」

 キラの乗るムラサメに搭載されていたミサイルの弾頭は、今回に限って練習用のものにちょっとした
改造を加えたものとなっていた。弾頭には炸薬ではなく大量の特殊な塗料が詰められている。
 本来はデコイに塗布されてレイダーの目を誤魔化すために使われる塗料は今、巨大MAの姿を
電子的にもカメラの目にも、はっきりと浮かび上がらせていた。
 イケヤ、ニシザワ、ゴウ、三機のムラサメが搭載する観測機器のデータがリンクによってAAに
伝えられ、1メートル以下の精度でMAの位置を算出する。

 ムラサメ隊が眼となり、姿を隠した母艦からの遠距離攻撃でしとめる。
作戦の提案をアンドリュー=バルトフェルト、弾頭の改造をマリュー=ラミアスが、
プログラムの調整をキラ=ヤマトが担当した、AA隊の総力を挙げる作戦であった。

 三機のムラサメの役割は、最低でも二機が同時に敵MAを観測機器の視界に収め、座標特定の
精度を保ち続けることである。しかし――

『……カオス、ウィンダム3機接近……』
「――来たぞ!」

 下方から急上昇しつつ放たれたビームの牙を、辛うじて回避する。

『あんまり面白くなさそうなことをしてるよなあ――』

 セカンドシリーズ、深緑のVPS装甲を持つモビルスーツカオスが、ウィンダムを率いて
目障りなムラサメを屠る為に上がってきた。

「いいか、なんとしてもデータリンクを死守しろ、そして必ずAAに生きて帰れ!
ヤマト三尉の努力を無駄にすることも、カガリ様を悲しませることも、決してやってはならん!」

 牽制のビームライフルを放ちつつ、イケヤは僚機に向かって言い放った。
 戦場の空に、荷電粒子の戦火が交わされる。


204 :45  ◆WZm3jzCkZQ :2007/01/15(月) 17:26:13 ID:???
9/

 ベルリン郊外、巨大MAの姿を地平線の向こうに沈めるAAのブリッジで、クルーたちは
息を呑んで戦闘の推移を見守った。漆黒のムラサメがMAの周囲で戦う様を、上空のムラサメ隊が
送ってくる。

「マーキング、成功しましたわ」

 オペレイターのラクスが作戦第一段階の成功を告げると、艦長席のマリューがほっと一息ついた。
ベルリン壊滅の一報から数時間、その間にバルトフェルドの作戦を了承し、
短時間で訓練用ミサイルの弾頭に塗料を詰める作業を監督したのがマリューだった。
 戦闘士官――艦長――として技術士官として、本来ならば交わることのないはずの二つの経歴を持つ
マリューは、全く休み無しで突貫作業を終えた。

「スレッジハマー装填! バリアント出力合わせ! 絶対に外してはいけないわ」

 目視できない目標に対しては、直進するビームの副砲ゴットフリートは使用できない。
艦対艦ミサイルによる足留めと実体弾による稜線射撃しか、安全な攻撃方法は無い。

「ミネルバが近くに居ます。どうなさいますの? 艦長」
「どうせこちらが先に当てて見せなければ信用されないわ、今はこちらの攻撃を命中させる事に
専念して」

 AAのセンサーが彼等同様に遠く離れて様子を伺うミネルバの反応を捉えているが、
マリューはいきなり共闘を申し出たところでデータリンクを繋いでくれる訳は無い事を悟っていた。
 下手をすれば回線越しにウィルスを仕込まれる可能性も有る。キラ=ヤマトの事を知っていれば
安易にリンクを繋ぎはしないだろう。

「――攻撃開始!」
「一番から二十四番――撃てえ! 着弾と同時にバリアントを発射するぞ、用意」

 マリューの号令に合わせてCICを担当するバルトフェルドの指示が飛び、AAから噴煙を曳いて
"スレッジハマー"艦対艦ミサイルが発射された。


205 :45  ◆WZm3jzCkZQ :2007/01/15(月) 17:29:36 ID:???
10/

「シン! AAからミサイルが来るぞ、一旦離れろ!」
『――分かりました!』

 ミサイルの信号をキャッチしたセイバーとインパルスが、MAからの距離を離す。

「――何!」『――えっ!』

 追いかけるビームとミサイルの雨を覚悟していたシンとアスランが、同時に驚愕の声を上げる。
 ミサイル群を確認したMAが上部の円盤部分を垂直に持ち上げるように変形し、通常サイズの
二倍もありそうなMSに変形したからだ。

「可変モビルスーツだったのか――!」

 そしてMS形態となった破壊者は浮遊砲台――両腕――を本体に呼び戻すと、リフレクターを
纏ったままの両腕を一閃した。

 迸る閃光、爆散するミサイル。

 巨大MSが両手指から全く途切れさせること無く十本のビームを放射すると、AAから発射された
二十四門二連計48の艦対艦ミサイル全てを至近弾にする事すらなく撃墜した。
 そして巨体に似合わない機敏な動きで、背面に背負う形となった円盤状の部分をミサイルの
飛んできた方向に向ける。

 再びの閃光、そして兆弾。ビルが一棟直撃を受けてなぎ倒される。

 巨大なMSは、およそ人類が大気圏内で運用できる限りで最大級の実体弾攻撃を
その円盤部分の丸みを帯びたVPS装甲によって完全に弾いてしまっていた。それでも凄まじい
衝撃が内部に浸透したはずであったが、フレームが壊れたそぶりも見せない。

「AAのバリアントを――化け物か!」


206 :45  ◆WZm3jzCkZQ :2007/01/15(月) 17:32:44 ID:???
11/

 ビームの巨大な双剣を振るい、あらゆる攻撃を跳ね返す。神話の怪物が現代に復活したかの様な、
根源的で本能的な恐怖――それは天災に対する畏怖にも似ている――をアスランは感じた。
 MSの行動はそれだけでは終わらなかった。遥か上空で戦闘するムラサメとウィンダム、
そしてカオスを確認すると――

「――キラ、不味い! 支援機達を回避させろ!」
『イケヤ一尉!』

 ――その長大な主砲を頭上に向け、放った。

『ああっ――!』

 直撃を受けたウィンダムとムラサメが一機ずつ、爆散する暇も無く消滅する。
 一瞬の自失状態に陥ったキラのムラサメをセイバーが跳ね飛ばした。ムラサメの居た空間を
十本近いビームの砲火が薙ぐ。

「キラ! こいつは俺たちに任せてお前は支援機の護衛に向かえ! 今のお前のムラサメでは、
あの"甲羅付き"のビームを回避できない!」
『クッ――! ……分かったよ、アスラン、ウィンダムとカオスは僕が引き受ける。
そっちも気をつけて!』

 マーキングのためのミサイルを直撃させた代償として、キラのムラサメは右脚にビームが掠り、
推進力と運動性を大きく減退させていた。トップエースクラスの操縦技量を持って為ても、
この状態ではアスランが"甲羅付き"と呼んだMSの攻撃は躱せない。
 MA形態で急上昇を――それでも本来の身軽さとは程遠い――図るムラサメを、"甲羅付き"の
凶暴な射線が追う。

「お前の相手はこっちだ! シン!」
『――はい!』

 セイバーとインパルスが無駄だと知りながらもビームライフルを放ち、"甲羅付き"の注意を逸らす。
 "甲羅付き"が、ゆっくりとセイバーの方に向き直った。
 その頭部の意匠は、奇しくもセイバーとインパルスを髣髴とさせるデザインをしていた。


207 :45  ◆WZm3jzCkZQ :2007/01/15(月) 17:36:21 ID:???
12/

『アスラン、あいつミサイルを全部叩き落としましたよ! どうするって言うんです!?』
「俺たちが脚を止めるしか無い、ミネルバとAAで飽和攻撃を仕掛けてもらう!」

 ビームを避けながら悲鳴混じりに送ってくるシンの通信に、アスランはミサイルを迎撃しながら答えた。
ミネルバは既にアスランの言に従ってデータリンクをAA側に開いたようだが、単発の攻撃では
効果をなさないのは先程の攻撃が証明している。

『あの"甲羅付き"に接近戦を挑むって言うんですか!?』
「そうだ! あれを相手にしては、距離を置くほうが危険だ。エクスカリバーが欲しい」

 『ああもう!』。シンは一声運命を恨む声を上げると、ミネルバにソードシルエットの射出を
要請した。すぐさま母艦からシルエットフライヤーの反応が分離する。

「味方のミサイルも回避することになるから覚悟しろ。――いくぞ!」
『ちッ――! 分かりましたよ――行きます!』

 二機のモビルスーツは、ビームとミサイルの嵐の中に再び飛び込んで行った。熱線のスコールと
噴進弾の暴風が真紅と白亜の機体を追い立てる。

『何処を狙えば良いって言うんです、アスラン!?』
「――脚だ、おそらく其処に核エンジンが在る、腕には無い」

 アスランは先程のミサイル攻撃を迎撃する際に、"甲羅付き"が両腕の浮遊砲台を本体に戻していた事から、
砲台そのものには動力源がない事を察知していた。事実あの時のビーム放射は、切り離されていた時の
出力を遥かに凌駕していた。本体の核動力から潤沢なエネルギー供給が無ければ出来ないことだ。
 フライヤーが戦場に近づいてきた。

「援護する、接触してエクスカリバーを貸してくれ。シン」
『了解です――!』


208 :45  ◆WZm3jzCkZQ :2007/01/15(月) 17:40:08 ID:???
13/

 ミネルバから射出されたフライヤーは、"甲羅付き"の視界を巧妙に避ける進路を取って低空で
飛行してきた。これも上空のムラサメから送られてくる地形データを利用した形である。
 セイバーがビームライフルで牽制し注意を逸らしている間に、インパルスが間合いを離し、
建物の影にて二本の銘剣を受け取る。
 突進力は在っても左右の動きに対応できないと判断してシルエットの換装は見送った。
バッテリーが気にはなったが、殆どビームを撃つ機会も無かったが為に消費は抑えられている。

『――アスラン!』
「――投げろ!」

 軌道を交わしざまに投げ渡されたエクスカリバーを受け取り、セイバーは伝説の巨人の如き
狂戦士に切り掛かって行った。
 セイバーの大推力を利用して左右に照準を逸らしつつ、渾身の斬撃を巨体に叩き込もうとするが、
切り離された両腕の陽電子リフレクターに遮られて脚部まで届かない。

『――ちッ! クッソーーーーー!』

 機動力ではほぼ同等、エクスカリバーに慣れているシンのインパルスであっても、
堅牢な守備と強力な連撃を突破できなかった。

『アスラン、どうやって攻めます?』
「損害を与えられなくても良い、"甲羅付き"の両腕を切り離したままに出来れば、
AAとミネルバのミサイルで仕留められる!」

 アスランはデータリンクを介してミネルバとAA双方に通信を送った。

「こちらセイバー、アスラン=ザラだ! 今からインパルスと二機で打ち込みをかける。
タイミングを合わせて同時に攻撃を仕掛けてくれ!」
『……了解しました! オーケーだそうです!』『……準備はよろしいですわ、アスラン』

 慣れ親しんだメイリンの声と……聞きなれた誰かの声が聞こえた気がしたが、
気にしている暇は無かった。

「シン、上空の支援機――ムラサメが落とされる前に勝負をつけなければならない、行くぞ!」
『――了解! ――行きます!』

 セイバーとインパルスは、再度の突撃を開始した。


209 :45  ◆WZm3jzCkZQ :2007/01/15(月) 17:43:28 ID:???
14/14

 上空で戦闘を続けていたイケヤ一尉たち三機は、突如として地上から吹き上げた破壊の
暴風に敵機ごと飲み込まれた。

『――――――ッ!』
「ニシザワーーーー!」

 悲鳴を上げる時間すらなくニシザワの機体が荷電粒子の奔流に呑まれ、コンマ秒の内に
爆散、蒸発してこの世から消滅した。部品の一つも残さない。
 ぎりぎりで数的均衡状態を保っていた戦力の天秤が、一気にムラサメ隊側不利に傾いた。
何時の間にやらウィンダムがもう一機上空に来ており、エース級の二機と掩護のウィンダム二機に
イケヤとゴウは追い立てられ、防戦一方となった。

『――もらった!』
『――……!』

 これ以上数を減らされては正確な観測が出来なくなる。それは彼らの敗北だけではなく、
作戦自体の失敗を意味していた。そしてその焦りが操縦ミスを生み、ゴウ機をカオスの前、
決定的な危機にさらすことになった。

 閃光

 ビームライフルを撃ちぬかれていたのは、カオスの方であった。

「――ヤマト三尉!」
『――……遅れました……すいません、イケヤ一尉』

 機体各部の観測装置を起動し、データリンクに参加しながら、キラがそう謝った。

「三尉が謝ることではない」
『でも……ニシザワ二尉が――』
「任務中に謝ってはならん! 悔いてもならん! ヤマト三尉、君は自分の任務を果たした。
罰して欲しいのなら作戦の後に幾らでも殴ってやる! だからこの場を生き残れ!」

 ニシザワの死に責任――"甲羅付き"の目を引き付けておけなかった事――を感じているキラを、
イケヤは一喝した。イケヤすら忘れていたことであったが、トップエースであるキラではあっても
イケヤの息子ほどの年齢でしかないのだ、生きていれば。
 キラはそれきり口を閉ざしてカオスとウィンダム、二機を相手取って牽制し始めた。
カオスもウィンダムも因縁がある機体だ。二機はイケヤ、ゴウ機を狙うことも無くキラのムラサメに
攻撃を集中し始めた。

210 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/15(月) 17:45:19 ID:???
おおおおお、なんと職人さんの投下をリアルタイムで見れるとは
超乙です!

211 :45  ◆WZm3jzCkZQ :2007/01/15(月) 17:45:41 ID:???
 申し訳ない、書いていたら予想以上に長くなり、中編が出来てしまいました。
 以上、中編終了。アイキャッチ入ります。後編はもうしばらくお待ちを。明日投下します。
多分時間は18時頃になると思います。


212 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/15(月) 19:53:43 ID:???
デストロイがVPSだったらアロンダイトの串刺しは出来ないはずだが
陽電子リフレクターのほうが良いぞ
とにかく乙!

213 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/15(月) 23:29:17 ID:???
デストロイは一応通常装甲+バッテリーだったりする

理不尽だとは思うけどね

214 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/16(火) 00:01:08 ID:???
 プラントに核を暴走させる機械があるから、核動力を使わないのは当たり前の選択ではあるのですが、
TVの火力を考えると逆に理不尽ですね、いっそ戦艦の動力と同じで不明にしとけばいいのに……


215 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/16(火) 17:29:08 ID:???
あれでバッテリーと言われても到底納得できませんよプクさん

216 :45  ◆WZm3jzCkZQ :2007/01/16(火) 17:49:54 ID:???
 ただいまより後編を投下します。


217 :45  ◆WZm3jzCkZQ :2007/01/16(火) 17:51:58 ID:???
15/

「――ニシザワ機、反応ロスト」

 静かに告げるラクスの声に、ブリッジが一瞬の静けさに包まれた。

「クソッ! ――ニシザワ……!」

 カガリが壁に全力で拳を打ちつける音が大きく響く。
 すぐに平静を――少なくとも表面上は――取り戻したのは、やはり本職の軍人歴が
長い者達からであった。

「……スレッジハマー再装填急いで。バリアントはよく冷却して、いつでも連射できるように」

 マリューの声がはっきりと、しかし冷たく艦橋に響く。CICの返答は既に何時もの調子を
取り戻していた。
 其処に前線からデータリンクを介しての通信が送られてくる。

『こちらセイバー、アスラン=ザラだ! 今からインパルスと二機で打ち込みをかける。
タイミングを合わせて同時に攻撃を仕掛けてくれ!』

 ブリッジに居る殆どの人間にとって聞き覚えのある声と名前。送られてきたデータの中で、
15秒のカウントダウンが始まる。
 艦橋全員の視線がマリューに集中した。声を出す時間すら惜しくて手振りでゴーサインを出す。

「準備はよろしいですわ、アスラン」

 ラクスが返答すると同時に、リンクを介してミネルバにもカウントダウンする表示を送る。
ほぼ時を同じくしてミネルバからも同様のデータが送られてくる。無言の内に二隻の戦艦は
同意を交わしていた。

「AAで可能な限り火力を集中させるわ、ここが正念場よ、最悪前面に出てゴットフリートで
狙うわよ。いいわね、ノイマン!」

 艦長席から檄が飛んだ。艦載機を失った喪失感を怒りに転換して戦意が最高潮に達する。
 カウントがゼロを示した。モニターの中でセイバーとインパルスを表すマークが加速する。

「一番から二十四番……撃て!」

 バルトフェルドの指示がCIC全体に響いた。


218 :45  ◆WZm3jzCkZQ :2007/01/16(火) 17:54:00 ID:???
16/

 カウントゼロと同時にアスランとシンは機体を全力で突進させた。既に推進器のリミッターは切っている。
エンジンの寿命と引き換えに爆発的な推力を得てセイバーとインパルスは飛んだ。

「――これで仕留められなきゃあ、ザフトレッドの恥ってもんですからね!」

 シンは自分自身を鼓舞するために叫びながらスティックを押し込んだ。それを聞くアスランも
内心では緊張の汗を拭いつつ、スロットルを開く。

『――右!』「――左!」

 アスランの合図に、シンが呼応した。突撃の途中で瞬時に互いの軌道を交差させると、
相手にする浮遊砲台――"甲羅付き"の両腕――を交替し、自らが叫んだ方の腕に切り掛かった。
 激突、陽電子リフレクターを展開して斬撃を受け止めた腕にはさしたる損傷は無かったが、
数十トンのモビルスーツがぶち当たる衝撃は砲台のスラスターだけでは殺しきれない。

「押し込めえーー!」

 シンが絶叫しつつスラスターを吹かし続ける。インパルスの機体の一部がリフレクターに掠って
削り取られてゆくが、構ってはいられない。ミサイルの発射から着弾まで数秒の時間差がある。
それまでなんとしてでもこの両腕を押さえていなければならなかった。
 自身に迫り来るミサイルを認めて、"甲羅付き"は両腕のビームで迎撃することを諦めたようだ。
再びMS形態を取ると胸部のビーム砲と頭部のビーム、CIWSでミサイルを打ち落とす。

「一発ぐらいは当たってくれよ――!」

 でなければ戦艦二隻の攻撃を耐え抜いた"甲羅付き"に、両腕を押さえるだけで精一杯の自分たちは
なす術も無く喰われて仕舞う。

『――シン! 直撃弾が来る、離れろ!』

 アスランからの通信に反応できたのは僥倖と言う他無い。間一髪でスラスターを逆噴射させ
飛び退ったインパルスの居た位置を数基のミサイルが通り抜けた。戦艦二隻掛かりの飽和攻撃に、
"甲羅付き"の対処能力が限界値を越えたのだ。

 着弾、爆煙。揺らぐ"甲羅付き"の体を地平線の果てから飛来した砲弾が襲い、
残りのミサイルが全て直撃する。"甲羅付き"の立つ動物園が濛々たる煙に包まれた。

「――やったか!?」


219 :45  ◆WZm3jzCkZQ :2007/01/16(火) 17:56:03 ID:???
17/

 煙が晴れた時、シンは本当の恐怖を感じた。思わず笑いが洩れるほどに――

「――ハハッ……マジかよ――」

 "甲羅付き"は、立っていた。その巨体に二機の浮遊砲台――二本の腕――がゆっくりと回収される。
"甲羅"の幾らかは欠けている、主砲も片方が失われている。――だがそれだけだ。

『AAとミネルバの、全力攻撃だぞ――――!』

 驚愕に動くことすら忘れそうなのは、歴戦のモビルスーツパイロットであるアスランも同じであった。
否、経験が豊富であるからこそ、尚更眼前の事態が驚きなのだろう。アスランは自分の乗ったことのある
戦艦の攻撃の能力ぐらいはわが事のように熟知している。

 直撃弾を挙げるだけでも、AAの"バリアント"が二発とミネルバの"トリスタン"が三発、
艦対艦ミサイルは"スレッジハマー"と"バルジファル"が数基ずつ。
 並みの要塞であればそれこそ地形の一部と化してもおかしくないほどの攻撃力を、
如何に陽電子リフレクターで減衰しようと、如何にVPS装甲で遮蔽しようと、
戦闘力を喪失することなく――――――――耐え抜いていた。
 最早神話や伝承のそれを通り越して喜劇の領域にすら脚を突っ込んだ、畏怖と滑稽を同時に
誘う程の、あきれた堅牢さであった。

 攻撃に耐え抜いた"甲羅付き"が、ゆっくりとインパルスの方に向き直って――

『――避けろ! シン!』
「――ハッ! ――はい!」

 両腕から放たれた十条のビームを、シンは紙一重で回避した。インパルスの脚部が熱に炙られて
塗料が滴り落ちる。

『敵は戦闘力を失くしていない、ミネルバもAAも前に出るな! ――シン、エクスカリバーを構えろ、
止めを刺すぞ!』
「――はい!」

 少なくとも甲羅はつぶした筈だ。後は両腕の防御を掻い潜り、接近戦で仕留める。そう決心した
シンとアスランに、通信を送りつつ上空からウィンダムがビームライフルを放って来た。

『止めろ! インパルスの坊主! あれに乗っているのは――ステラだぞ!』 
「――――え!?」


220 :45  ◆WZm3jzCkZQ :2007/01/16(火) 17:58:09 ID:???
18/

「――なんて――耐久力だ!」

 遥か上空でカオスとウィンダムを相手にしながらAA、ミネルバの同時攻撃を支援し見守っていた
キラは、巻き上がる煙と粉塵の中に立ち尽くす"甲羅付き"の姿を認めて戦慄した。

「――それでも、僕たちは此処に留まるしかない!」

 幸いにもキラの僚機に向かい合っている二機のウィンダムはさしたる練度でもなく、冷静さを取り戻した
イケヤ、ゴウ機を撃墜するどころか逆に連携に翻弄され、痛撃を食らっている。むしろ損傷を抱えながら
エース級二機を相手にしているキラの方が――順当ではあるが――苦戦を強いられていた。
 カオスの掩護を受けてキラと剣閃を打ち込みあっていたウィンダムが、急に方向を転換し、
ビームライフルを放ちながら急降下していった。

「セイバーとインパルスを討つつもりか!」

 ムラサメもまた戦闘機形態からモビルスーツ形態へと変形し、無防備に背後を見せ急降下する
ウィンダムに狙いをつける。

『――させるかよ!』

 しかし引き金を引く直前にカオスからのロックオンを察知して、スロットル全開で逆噴射を行った。
変形を繰り返して複雑な機動を行うことでMA形態のカオスが放つ複数の熱線を悉く逸らして行く。
 元が宇宙用であるカオスの攻撃は、如何にセカンドシリーズであろうとムラサメを駆るキラにとって、
単発でそうそう当たるものではない。
 キラは口の中に鉄の味を感じた。カオスとセイバーにやられた時の傷が開いたのか?
否、強力なGで意識を失いそうになった時無理矢理覚醒するため、本能的に唇を噛み切っただけだ。
 キラはカオスの攻撃を回避しながら、ウィンダムの降下して行ったベルリンの大地を見遣る。

「……一体、何をしているんだ!?」

  其処では、"甲羅付き"の攻撃を回避するセイバーとインパルスが向き合っているように見えた。


221 :45  ◆WZm3jzCkZQ :2007/01/16(火) 18:01:29 ID:???
19/

「シン! 一体何のつもりだ! これは」

 データリンクを切断してから自機とインパルスとを結ぶ専用の秘匿回線を介してそう質問した。
"甲羅付き"に向かおうとしたセイバーを阻む様に、インパルスが頭部のCIWSを発射したからだ。
反逆罪にも取られかねない行動、シンの前科を鑑みても後で両機の記録を改竄しなければならなかった。
 だが、次の瞬間にシンが送ってきた通信は、アスランにとって戯言としか聞こえないものだった。

『頼む! 俺にステラを、説得させてくれ!』
「何寝ぼけたことを言っているんだ、シン!」

 シンは本気で"甲羅付き"のパイロットを説得できると考えているようだった。ビームを躱しながら
アスランは思考する。もし仮に、敵の言が本当だったとしても――

「落ち着け! ――もし本当に彼女が乗っているとしたら、前にも言っただろう!
ここで撃つ事の方が、彼女の為になる!」
『――ステラは! 優しい子なんだ! こんなこと喜んでやるはずが無いんだよ!』
「その子がベルリンを灰にするほどに、洗脳が進んでいると言っているんだ!」

 アスランはシンほどには人間の良心の所在というものを、魂の中に信じてはいなかった。
脳内物質を制御されてしまえば、拷問を快楽と感じる人間すら出来上がる。そしてシンは――

「言うことを聞け! シン! 連合にもザフトにも、彼女を生かす術は無い!」
『そんなこと分からないじゃないですか! 一度話をさせて下さい! アスラン!』

 ――そしてシンは信じていた。単なる電気信号ではなく、魂の中に在る感情というものを。
それは若さの証で、この状況では危険なものだ。しかしシンの若さを見殺しにはしたくなかった。

『一度で良い、俺の声を聞かせたいんです!』
「――クッ!」

 アスランは苦しみながらも思考した。このままではシンは本当に自分を撃ちかねない。
隠し切れない決定的な反逆罪。前例が在り、今度は上層部ももみ消すことは不可能だろう。
前途あるシンのキャリアを、こんな所でつぶしたくは無かった。

「――良いだろう――」

 アスランは苦悶の末に、シンにそう許可した。


222 :45  ◆WZm3jzCkZQ :2007/01/16(火) 18:03:43 ID:???
20/

「良いだろう、しかしAAとミネルバが第二波の準備を整えるまでだ。後数十秒しかない」
『はい! それで十分です!』

 そういいながらもセイバーとインパルスは"甲羅付き"の両腕から迸る十条の熱線を回避し続けていた。
ビームの刃は途切れることなく放出され、凄まじいまでの反応で二機のモビルスーツを追うが、
反応が早くともブレや先読みがないだけに、かえって回避が容易であった。
 まるで機械のような反応。アスランには、こんな操作を成し遂げるパイロットが人間的な感情を
持っているとは信じがたかった。だが"甲羅付き"に向かうシンにはその幻想が必要なのだ。

『――ステラ――!』

 何と、武装を排除しながらシンは"甲羅付き"に近寄って言った。安心させる心算か。
『牽制しようとしたところ、両機共に管制システムに狂いが生じた』。苦しい言い訳を考える。
後で改竄が可能なように、インパルス、セイバーとも或る程度は破壊されなければならなかった。

『――ステラ、俺だ、シンだよ!』

 インパルスからの呼びかけは、レイザー通信で繋がる"甲羅付き"と、秘匿回線を保ったままの
セイバーにしか届いていないはずだった。暗号化されていて内容は分からないが、"甲羅付き"の
背後にホバリングしたままのウィンダムからも、何らかの言葉が送られているようだ。

『――そう! 前にも会っただろう!』

 アスランは目を剥いた。"甲羅付き"が停止する! まるでシンの言葉を受け入れたかの様に、
"甲羅付き"は泰然と佇んだままインパルスに攻撃を向けようとはしなかった。

『――うん、言ったよね。俺はステラを守るって』

 ――説得、出来ているのか? アスランでさえ、そう思いかけた。


223 :45  ◆WZm3jzCkZQ :2007/01/16(火) 18:07:56 ID:???
21/21

 しかし次の瞬間アスランの全身が怖気だった。"甲羅付き"の雰囲気が一変してしまう。
背骨に氷柱を突き立てられたかのような危機感。シンに警告の声を上げることすら忘れた瞬間に、
全周波数の通信でその声は――悲鳴は届いた。

『――でも! シンも私に切りかかってきた!』
『――ステラ! 話を――』

 "甲羅付き"から濃密な殺気が放たれた。確固たる動きがセンサーに感知されたというわけではない。
猛獣の入った箱を前にして中身が見えずとも恐怖を感じるような、本能に根ざした感覚。

『ネオだけなの! ステラを守るのはネオと、スティングだけなの――!』
『――ステラ――!』
「シン! 離れろ、危険だ!」

 アスランの警告は、そして"甲羅付き"のコックピットを狙おうとしたセイバーのビームライフルは
間に合わなかった。"甲羅付き"が胸部から三本のビームが発射され、その全てがインパルスに直撃する。

『――……! 嫌アァァァーーーーー!』
「シン――!」

 女神の加護かそれとも少女の最後の良心がそうさせたのか、放たれたビームは三本とも操縦席を逸れ、
インパルスは推力を失って地面に落下した。
 そして叫ぶアスランのセイバーを両腕からのビームが切り裂く。リミッターを切って動かし続けた
主推進器は操縦者の思いに答えることなく、セイバーは無残にもビームに体を削ぎ取られた。
必死の操縦でバイタルエリアへの直撃は回避したが、真紅の救世主は地に墜ちた。

 地面に激突した衝撃に意識を喪失してゆくアスランが見たものは、背を向けて撤退して行く
"甲羅付き"の姿だった。巨体は両腕を防御に回しながら、背後の装甲を排除して行く。
赤くマーキングされた部分が殆ど剥がれ落ちて、ムラサメによる観測が意味を成さなくなる。

 そしてゆっくりと深い場所に沈んで行く意識が耳にしたものは、失いたくない者を奪われ、
助けられない筈の少女を救おうとした少年の、悲痛な叫びだった。少女の名を呼んでいる。
その叫びは幻聴かもしれなかったが、昏い場所に囚われたアスランの意識に何時までも響いていた。


224 :45  ◆WZm3jzCkZQ :2007/01/16(火) 18:10:29 ID:???
 以上、後編終了。ED入ります。その後おまけが。21時ぐらいに投下します。


225 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/16(火) 18:21:43 ID:???
GJ!
これからどうなるのか楽しみだ
期待している

226 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/16(火) 20:31:19 ID:???
GJ!!!
戦艦の砲撃で原作みたくステラが見えて原作どおりの展開になるのかなと
思ってたが、こっちの展開の方がずっといい!!!
職人様の腕には感服を禁じえません。

227 :45  ◆WZm3jzCkZQ :2007/01/16(火) 20:53:32 ID:???
22/

 ベルリン上空、スティング=オークレーは狭苦しいカオスの操縦席で母艦の方角に向かう
デストロイを見下ろしていた。舌打が洩れる。

「――ちッ! 結局撤退しちまうのかよ!」

 体が震える。悪寒がする。全身を襲う不快感がスティックを握る両手にまで広がっていた。
それもこれもデストロイの通信内容を聞いてからだ。
 少女の絶叫を聴いた瞬間、魂を千切られたような嫌悪感が全身を走った。皮の一枚下を、無数の虫が
這いずり回る感触。喉に迫りあがるものを感じた。メットのバイザーを上げて盛大に反吐を放出する。
パイロットスーツの襟元は酸味の或るにおいの汚物で汚れたが、思い出すものが在った。

「――ステラ! きっちり逃げろよ!」

 その名前を口に出す事にすら激しい忌避感を覚えつつも、僚機に叫ばずにはいられなかった。
聞こえていないとしても、今此処で自分がそう叫ぶ、そのことに意味が在る。

 眼前の敵機、モニターに映る漆黒のムラサメを睨んだ。その背後に居る二機の量産品も。
敵意と殺意で意識を塗りつぶせば、全身の震えが止まった。

 形勢は圧倒的に不利だった、どのモビルスーツも傷だらけではあるが、スティングの僚機は
今やぼろぼろのウィンダムが只一機。もう一機は量産品の連携で落ちた。カオスの右腕は
黒いムラサメの左腕と引き換えに持っていかれた。

「――おい、アンタ。十分だ。――もう下がるぞ」

 最後の僚機となったウィンダムに「俺の合図で撤退しろ」と告げるとすぐに返答が在った。了解。

「――3、2、1、今だ!」

 スティングの合図で半壊したウィンダムはすばやく身を翻し、ベルリンの空を避った。

 カオスは、そして只一機戦場の空に残る。


228 :45  ◆WZm3jzCkZQ :2007/01/16(火) 20:56:21 ID:???
23/

「バーカ、二機とも一斉に逃げたら、後ろから撃たれるじゃねーか」

 屈託無く笑いながら、スティングはムラサメ隊の動きを警戒していた。少しでも逃げた
ウィンダムを追うそぶりがあれば、その隙に撃つ。その行為が意味するところは――

「――だからしんがりって言うのが必要なんだろうが、基本だぜ?」

 まあ強くは無い奴だったが、最後まで良く付き合ってくれたんで見送ってやろう。
その程度の声掛けだった。少なくとも鈍間じゃなかった、良い逃げっぷりだ。

『スティング! 一体何をしているんだ! お前も撤退しろ! 潮時だ』

 上官のネオから通信が入ってきた。識別はデストロイと一緒に動いている。

「そっちこそ何言ってるんだよ、こいつら追撃してくる気で一坏だぜ?
その機体――デストロイを逃すつもりは無いとさ」
『こっちの残存戦力で迎撃出来る! 早く下がれ!』

 残存戦力なんて無えよ。スティングは笑みを零した。殆ど全部連れて来て、殆ど全部落とされた。
まあ半分はステラ――デストロイの巻き添えだったが。

 ネオからの通信は、縋る様に撤退を告げた。

『とにかくスティングも下がれ! 今のカオスの状態じゃあムラサメの相手は無理だ!』
「何度も言わせるなよ、ネオ……ファントムペインの殿軍は――俺だ」

 いつも通りにな。スティングは静かにしかし力強く、有無を言わせぬ口調で宣言した。

『スティング!』
「――ほら、ネオもさっさと行きな、もたもたしてると逃げ遅れるぜ?」


229 :45  ◆WZm3jzCkZQ :2007/01/16(火) 20:59:23 ID:???
24/

 『仕方ない』、通信機の向こうのネオがそう呟いたかと思うと、数個の単語、その羅列が
スティングの耳朶を打った。

「ネオ! グッ! ――が、ああああああ!」

 スティングにとっての特別の禁句――ブロックワードが精神に楔の如く喰いこんでいる
条件付けを刺激し、暴発させた。

「手ん……前ええぇぇーー! よくも!」

 スティングの人生の大部分を以って課され続けた洗脳、そのときに耳元でささやかれた語句の
一つ一つが幻聴としてフラッシュバックし、スティングの脳を焼き焦がした。

「――ク……ああ!」

 しかし、本来ならば絶対の鎖としてスティングを縛るはずの条件付けに、精神が全力で抵抗していた。

「ネオ――よくも! こん……な……所で!」

 急に可笑しな挙動を始めたカオスを観察するようにムラサメ達は間合いを取っていた。好都合だ、
馬鹿な上官が禁句を吐いてくれた所為でいま襲い掛かられたらあっさり落とされちまうところだ。
 この状況を見逃してくれたお礼に、きっちり撃墜してやる。ネオもだ! 後で覚えていろ!
呪われてしまえ! いや、俺が自分でぶっ飛ばす!
 禁止されている上官への反抗心に、更なる嫌悪感がスティングを襲い、それをも使ってスティングは
更に周囲への敵愾心を募らせた。
 怒れ、怒れ、怒れ! 唯一この感情は、怒りと殺意は俺たちにも自由に許された、『正当な感情』だ!
条件付けだろうが何だろうが、この怒りを邪魔できるものならやってみせろ!
 
「ぐあッ! ――ゲホッ!」

 臨界点に達した嫌悪感に、スティングは再び嘔吐した。胃袋の中身はとうに出尽くした。それでも
酸味のある液体が食道を駆け上がり、スーツを汚す。


230 :45  ◆WZm3jzCkZQ :2007/01/16(火) 21:02:37 ID:???
25/

「ネオ、手前よくもステラとアウルの事を消してくれやがったな!」
『――スティング! お前!』

 そしてスティングは遂に条件付けを破り、上官に向かって文句を垂れて見せた。

「たとえあいつらが死ぬことがあろうと、その記憶は消さないと約束しただろうが!」
『――――ッ!』

 絶句するネオに、スティングは更に言い募る。

「――俺に命令しろ! ネオ!」

 条件付けによる『禁句』を破りはしても、長年の間に蓄積された洗脳は最早本能に近かった。
ネオの命令に背くことは、それだけで抵抗を感じて仕舞う。

「お前が俺に命令しないと、本気で戦えないんだ! おれに殿をやれと、命令しろ!」

 だから、命令を下せと叫ぶ。上位者への命令は矛盾した行為だ、しかし必要な事だった。

『――わかったよ……スティング。彼らの足留めをしてくれ』

 それに対してネオは、静かに応えた。既にデストロイを含む残存部隊は遠く、今更スティングが
撤退しても合流が難しい。
 スティングは不敵に笑った。急激に意識の中がすっきりとした。

「よし、これで記憶の事はチャラにしてやる……いや、やっぱり足りねえな、
ネオ……今度殴らせろ」
『……ああ、いいとも』

 禁止されている上官への暴行はさぞやすっきりすることだろう。そう思いながらスティングは
ムラサメ隊のほうを向いた。待っててくれて有り難うよ、今、撃ち落してやる。


231 :45  ◆WZm3jzCkZQ :2007/01/16(火) 21:04:39 ID:???
26/

 ふと思い立って、眼前のムラサメへと通信回線を開いた。この間共闘したセイバーのパイロット、
アスラン=ザラの言を信用すれば操縦者はキラ=ヤマトらしいが――漆黒の機体と回線が繋がった。

「よお、あんたキラ=ヤマトか?」
『…………そうだ。このまま撤退するのなら後ろから撃ちはしない』

「――へっ、逃げたら追いかけてくるくせに。あんた達がここにいたのと同じ位、俺は真面目に此処に居る」
『…………』

「それは当然として、キラ=ヤマト……あんたは其処にいるのか?」
『どういう意味だ?』

「そのまんまの意味だ。――俺はどこかに居た、今、此処に居る訳じゃあない」
『――? 君は確かに其処に居るじゃないか、僕だって此処に居る』

「いいや、それが違うのさ、ここに居るのは昔どこかに居た俺の……型枠みたいなもんだ」
『…………』

「おれが"居なくなっている"という証拠が、こうしてカオスの操縦席に収まっている」
『…………』

「何処かから居なくなった俺たちだが、戦争したり、銃を撃ったりもするのさ、MSに乗ったりもな」
『……人を殺したり?』

「そう、まるで無くなった手や足が、それでも痛くなったりするみたいに、な」
『……ファントムペイン』

「そうだ、俺の名だ、俺たちの名だ」
『……君の本当の名前は?』

「……あんたのお友達にも言ったが、殺す奴には名乗らない主義だ」
『……そう』

「――だが、まあいいか。――スティング=オークレーだ……忘れときな。……そろそろやるか」
『……スティング……君は――』

「ああ、俺の言いたかった事は只一つだ…………幻肢痛を思い出せ!」


232 :45  ◆WZm3jzCkZQ :2007/01/16(火) 21:08:01 ID:???
27/28

 そして叫ぶと同時に、カオスを最大出力で加速させた。リミッターを切って全推力を前に集中させる。
ムラサメのビームライフルがカオスの右足を吹き飛ばすのにも拘らず、只前進する。
 黒いMSが画面の中で大きくなった。十分に接近したと判断して、背面の機動兵装ポッドを射出する。
密かにお気に入りだった武器だ。出来ればもう一度宇宙で使いたいものだ。
 直進するだけであれば、ポッドを切り離したとしても速度は落ちない。むしろ軽くなった分加速を増して
ムラサメに接近する。
 殺意に任せてスティックを倒し込み、Gに顔をゆがめる感覚――心地よい。

「――逃がすかよ!」

 間合いを離そうとしたムラサメを押さえる物は、切り離した機動兵装ポッドだ。意のままに動く
二基の浮遊砲台は、巨大な推力を以ってムラサメをカオスの方に引き寄せた。長く続いた戦闘は
確かにムラサメから本来の軽快さを失わせていた。好機。
 ムラサメに殆ど触れんばかりに肉薄する。さあ、後は残った左腕をムラサメの機体に叩き込むだけだ。
名前の通り、コックピットをSTING――ぶち抜いて――やる!

「――オラァ!」

 拳を振りかぶり――衝撃――閃光――

「――……あ?」

 カオスの拳は空を切った。しかし衝撃はスティング入るコックピットを襲ったものだ。
閃光は――スティングは知らないがイケヤ機の放ったビームライフルは、カオスのメインスラスターを
直撃していた。

「――ははっ!」

 奇妙な笑いが、スティングの口をついて出た。そういえばあいつらの方にも落ちた奴が居たな、
すっかり忘れていたが……それはそうだ、こんな直に人を失った痛みを忘れるはずも無い。
 自由落下を始めるカオスのコックピットに、荷電粒子の輝きが迫ってきた。
 それは真っ直ぐ、真っ直ぐにスティングの方へと向かって――――――――――


233 :45  ◆WZm3jzCkZQ :2007/01/16(火) 21:10:24 ID:???
28/28

 動力を失い落ちて行くカオスを、キラは呆然と見下ろしていた。そこにイケヤ一尉からの通信が入る。

『ヤマト三尉、AAに帰還しよう。我等の損害も大きなものだ』
「……イケヤ一尉、追撃は――?」
『それは艦長と参謀殿が、カガリ様と話し合って決めることだ。どの道我々はAAに帰還せねば、
ヤマト三尉とてこれ以上の戦闘は不可能だろう』

 ムラサメ隊の一機撃墜、全機中破という悲惨な状況を指して、イケヤは判断した。

「……ニシザワ二尉は?」

 静かにそう聞いた、せめて爆散したムラサメの破片だけでも回収したい。そう思ったキラの
心残りにゴウ二尉が応えた。

『……ニシザワ二尉は、寸前で脱出したのを確認しました。何処かに居るでしょう……』
「――! でも!」
『そうだ、ニシザワ二尉は機体が爆散する寸前に脱出した。よって何処を捜したとて死体は見つからん、
絶対にな。しかしいつかはAAに帰還するだろう』

 カガリ様にもそう伝える、と付け加えるとイケヤは黙ってAAへと進路を取った。
ゴウもキラも無言で機首を巡らせて隊長機に従う。
 キラは背後――ニシザワとスティングの消えた戦場の空を振り返り、何かを掴んだ気がした。
 そうか、人は失われた者の温もりを必要とする時もあるということだ。失われた手足が其処に
痛みを生ずるように。――幻肢痛、君は確かに其処に居た、ニシザワ二尉も。
 忘れろと言って名乗ったスティングの声が誰かに似ていたことを思い出す。そうだ、あれはまるで
キラの親友が苦しいときに『大丈夫だ』という口調そのままだった。つまり――

 ――君は其処に居たよ、スティング=オークレー。君を殺した僕は、君を覚えておく。

 心の内でそう語りかけると、キラはもう空を振り返ることは無かった。AAには仲間が待っている。

 生きる者全てが去ったようなベルリンの空に、ムラサメとカオスの残した残煙が漂っている。
垂直と水平に伸びるそれは、あたかも空に架けられた十字の墓標の如くたゆとい、
しばらくの間誰かの代わりに死者への追悼を捧げていた。

234 :45  ◆WZm3jzCkZQ :2007/01/16(火) 21:12:29 ID:???
 以上、おまけ終了。
 当初は9レス位でAA、ミネルバの同時攻撃が成功して撃破出来る予定だったのが、
12レス越して前後編にぶった切り、しかもそれでも足りなくなって三部作になってしまいました。
更におまけ付き全28レス。
 一応キラをムラサメに乗っけたまま"何とかして"みましたが、>>173 様、満足いただけたでしょうか?
 リクエスト、また感想と指摘を下さいました住人の方々へ、どうもありがとうございます。

 感想、指摘、シチュエイションのリクエストがありましたらどうぞ。


235 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/16(火) 21:27:16 ID:???
小説版アストレイの話になるが反吐をそのまま出しても
パイロットスーツが吸い取る?らしいので問題ないらしい
出来ればアビス、ガイアとの戦闘が読みたいかな?
とにかくこれだけは言いたい、GJ!!!

236 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/17(水) 00:00:01 ID:???
GJGJGJ!

237 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/17(水) 00:42:06 ID:???
なんか最終決戦はストライクフリーダムじゃなくてムラサメ・ゼータに乗って出撃しそうだな。
ミーティアの変わりにトレッドたかスーパーパックとか装着して。

とにかくGJ!でも次はエンジェルダウンじゃなくてデストロイ追撃戦パート2にWなりそうな予感。

238 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/17(水) 21:25:58 ID:???
>>237
それじゃ本編と何も変わらん。無敵ストフリが無敵キラサメZになっただけだ。
強者が弱者を蹂躙するんじゃこのスレの意味が無いと何度も(ry

元々このスレってストフリに乗ってやりたい放題だったキラでも
ムラサメならたいした事が出来なくなって少しはマシになるんじゃないか、って始まりだった。

個人的にはウィンダム5機相手に追い詰められる位でいいと思うんだ。
一般兵のMS2小隊相手から死に物狂いで逃げるとかダメ?このぐらいのパワーバランスでいいよ。

239 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/18(木) 00:48:15 ID:???
>>238
いや、そうじゃなくて。

1.AAの砲撃によってパイロットが見えるようになる。
2.原作どおり
3.暴れだしたデストロイを砲撃によってできた隙間からパイロットをグサリ。

ていうのを考えてたんです。

240 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/18(木) 01:23:30 ID:???
他人への意見に横レスしてしまった・・・。
失礼

241 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/19(金) 18:42:15 ID:???
このスレってキラがムラサメに乗る前提で再構成もありなの?
ミネルバ視点になるからキラサメの出番あまり無いが

242 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/19(金) 18:46:01 ID:???
流れがそれほど速いわけでもないし書いてみたらどうだろう。

243 :45  ◆WZm3jzCkZQ :2007/01/19(金) 23:14:54 ID:???
>>235 把握、テストが終わるまで、少々お待ちください。

244 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/20(土) 13:22:40 ID:???
>>238
ならどうすんだって話になるんだろうが
種運命まるっきり無視でいくのか
ある程度本編沿いで進んでから変えるのか
それを言わなければ如何にもならないっての
つーか腐ってもエースなんだし
せめて10機以上で五分五分に持ち込めるって方が良いだろ
5機じゃ相手にならないのは39話のキラ仕様ルージュで明らかだろ

245 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/20(土) 17:10:51 ID:???
>244
たしかにオルトロスさえ食らわなければそのままのせたかも知れないが
負債補正というものがあるから一概には言えんぞ
それでも機体の性能を限界以上まで引き出せたろうし考えとしては悪くないな

246 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/21(日) 00:55:24 ID:???
>>244
確かに、相手が5機じゃキラ仕様ストライクでは相手にならず半壊にされてましたね

247 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/21(日) 10:38:23 ID:???
あのシールドはアストレイと共通だからM1もオルトロスが防げないと言う事になるな

248 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/21(日) 11:27:39 ID:???
元々のパワーバランスがおかしいって話じゃないの?
機体性能以外にもいわゆる補正といわれるヤツ



249 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/21(日) 21:38:58 ID:???
>248
たとえ本編で補正があっても
このスレのキラは技量+機体の性能に戦場の状況などの
すべてを含めて戦うって事でいいじゃねーか
とにかく職人次第だしもうこの話はよそうぜ

250 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/23(火) 01:19:29 ID:???
原作のキラは大嫌いだったが
ここのSSのキラは好きになれそうだ。

職人氏乙であります!

251 :通常の名無しさんの3倍:2007/01/24(水) 15:09:17 ID:???
保守

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